10. ページ11
あれから森の奥へと進んでいき人目のなくちょうど良い場所が見つかり立ち止まっていると頬を優しく撫でるように夜風が吹いていく…
─────
.
──
───ﾄﾞｶﾞｯ!
「失せろ。何故こんな獣がヤミ、貴様といるんだ」
────
.
──
『……っ！』
悔しくてそういう人間の存在が憎くて ぎりっ と歯が音を立てる
──ﾎﾟﾌﾝｯ…
ｼｭﾙ…ｼｭｯ……
風と共に左に巻かれていたほどけた包帯は
鳥籠から放たれた鳥のように飛んでゆく
満月に向けゆっくり眼を開くと綺麗な水色は獣の眼となり狼の耳や尻尾が出る。
『…強く…ならないと……
ずっと馬鹿にされたまま…そんな人生は…いや』
───ｼｭｯ！
手には空間から取り出された長刀を握り
月にまっすぐ向ける
…だから、ヤミ…僕が強くなるまで団長の席に座って待ってて…。
足を引っ張らないくらい…
邪魔なんか言わせないくらいに強くなって…
これから入ってくる新しい団員達を守れるくらい…には……＿＿＿
『すぅ……はぁ…。 闇創成魔法・闇纏い 黒獣の刃 』
手や足に黒い何かが纏い着き其れは徐々に形を変えて獣の鋭い手足となる。
『……成功…した……？！』
初めて覚えた…初めて成功した…。
けど、それが今日成功したことによって少し自信がついてきた…
でも、其れと同時に……
.
自分が暴走してこの力が誰かを傷付けたりしないかが心配になった…
そんな様子を木の影から静かに覗くユリウスさんが居たことに全く気付かなかった
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作者名：黒猫 | 作成日時：2018年10月20日 10時
