30話 ページ32
─────ピチャン…!
真っ暗で何もない空間の中で目を覚まし上半身だけを起こして辺りを見渡す
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『(あれ…?俺は確か、前の
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──────ピチャッ
滴はリズム良く刻んで行く
『(だとしたら…今此処は…?)』
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───────ピチャッ…!
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ピタッ…──
壁に手を当てると右斜め上にランタンを持った龍姿のテララがいた。
「くくっ…なーんだ、もう目が覚めちゃったの?」
『…覚めたら悪い?』
「別にー♪ よっ…と!」
テララはランタンを片手に俺の隣に降りてきた
「この扉開けないの?」
『(嗚呼…これ、扉だったのか)
開けない…開けたくない』
今まで扉に触れていた手を スルッ と落とす
其れをテララは横で見ていて
「えー!詰まんないなぁ!」
と言いながら ピョンピョン 飛ぶ。
.
『開けたくないの…だったら、開けなくたって構わないでしょ?』
「それ…逃げてるよね?
目を背けているだけ、だy… (…ヒュンッ!!)
……おー、怖い怖い」
『…怖くなんか無いくせに (ボソッ)』
俺は懐に
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嫌な記憶が文字として黒い壁に白でつらつらと流れてくる…
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「気味が悪い」
「化物が」
「なんでお前は生きて俺は死んでいく」
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泥々した黒いものは俺の心へと流れ込んでくる
気持ち悪い…
『……やめろ…』
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「な、んで…お前は確かに殺 "した" …はず」
────ベチャッ…
『だから…何?
俺…人間嫌いなんだ…。其れに大体あんたが無理矢理契約させたようなもんだろ?
限界距離で苦しめて殺 .すのも良いかと思ったけど最後はあんたに相応しい終わり方にさせてやるよ
.
.
.
.
じゃあな…… ──── 』
「やめろ…やめてくれぇぇぇぇええぇえ!!!」
.
俺は右手から大きな鎌を取り出し其れを
───グシャアッ…!!
辺りは血の海になっていた…
なんでかは良く覚えていない。
唯、彼処までの記憶はあったのに其の後からの記憶は全くと言っていいほどに無い
黒い服を着て黒いサングラスを着けていた男が沢山倒れていた
銃や手榴弾なんかもあちこちに転がっていた
.
───バリィィィン!!
『はぁはぁ…っ…思い出したくもない…あんなもの』
瞼を降ろして意識を手放した。
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作者名:黒猫 | 作成日時:2018年7月29日 16時