第80話 合鍵 ページ33
父から返信が来たのは話し合いから6日ほどたった頃。
返信内容は思ったとおり家族思いの父は私だけの話を聞いてそれが全てだと判断できないので会って話そうと言われた。
しかしイタリアにいる父はなかなか帰ってくることは難しく私から出向くことになった。
しかし数日とはいえ、家をあけることになるのは心配で心苦しかった。
それに何故出掛けるのかを母に話さなければならない。
いったいどうすればいいのか……。
メ 「もう奥様に何も言わずこっそりと会ってこられてはいかがでしょうか？A様。」
A 「え？」
メ 「奥様に話されて止められでもしたら余計に旦那様にお会いになることが難しくなりますわ。
でしたらいっそ、内緒で会いに行かれた方がよいのでは？」
A 「でも、ばれてしまったら…それにアレッタに何かあったら。」
メ 「アレッタ様のことは私どもできちんとお守りしますし、ばれたらばれたで家出したとか言ってなんとかしますよ！」
とメイドの思わぬ発送により、私は家出という名目でお父様に会いに行くことになった。
そして執事からの提案で居場所が直ぐにばれないようになるべく周りが知らないところに宿泊した方がいいとのことで昔父親が隠れ家に使っていたイタリアの崖の近くにある小屋を使うことになった。
実を言うとこの小屋もともと祖父が所持していたもので父が当主になる前に祖父が鍵と小屋を明け渡し、何かあったときや、1人になりたいときに使用していたみたいだ。
幼い頃に父にその話を聞き、合鍵は祖父が持っているので自分がいないときに使いたくなったら祖父に頼れとアレッタ言われた。
A 「となるとお祖父様にもやっぱり事情を話して鍵を借りるしかないわね。」
いくら温厚な祖父でも黙って鍵を貸すわけにはいかないだろう。
なんて話そうか……。
また頭を抱えようとしたとき、
執 「それならご心配無用です。」
A 「？？どうして？」
執 「実はあの小屋のことは私も大旦那様から伺っておりましたので数年前から代わりに私が合鍵をお預かりしてるのです。」
本日２回目の驚きと共に家出準備は整った。
続く
何だこれ？話が全然すすまん………。
byミユツナ
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作者名：ミユツナ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/akimiyu17/
作成日時：2016年1月29日 17時
