大空に舞う白雪第２章 (ページ31)

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第78話　味方ページ31

アレッタの話を聞いてからAが行動に移すのは早かった。

まず、貴族の集まりや王族への挨拶で中々家に戻れない父のもとへ手紙を送った。

父はとても穏やかで勤勉であるためすぐに現状を理解してくれるであろう。

ただ愛する妻が養子とはいえ、娘に手を上げることをそう簡単に信じられるはすがないと思い、手短に虐待のことを話し母には内緒でアレッタと３人で会って話がしたいと記した。

父が理解し母に止めるように言うことが出来たならば直ぐに手を引くだろう。

当主の言うことは絶対なのだから。

そして近くにいる身の回りの者は誰が味方なのかを探し出した。

父が家にいない間は実質母が当主のようなもので、従者たちも母の指示を聞くようになる。

アレッタへの虐待をAや祖父に伝えたことが母にばれると何をされるか分からない。

故に大半の従者が見てみぬふりをし、関わらないようにしている。

アレッタを守り、母からの咎めを恐れずかつ行動に移せる者を味方につけなければ現状を打開することは難しいだろう。

Aは今まで以上に従者たちへ話しかけお茶などに誘いたわいもない話をしながらさりげなく母の近頃の行動やアレッタに対しての話を上手く聞き出していた。

それから味方を確認するのは時間はかからなかった。

完全に味方と言っていいのは50人中2人しかいなかった。

しかもその2人はAの直属の執事とメイドだった。

メイドはAと歳が近く明るく自由奔放で天真爛漫な性格だったがAにとても懐いていた。

執事はもうすぐ還暦を迎える歳で知識が豊富でとても気品に溢れるいつもよき相談相手だった。

この2人は直ぐに賛同してくれたのだか、他の者は話をしても逸らしたり、黙り込んだり、そそくさと逃げるのどれかでとても味方になってくれるとは考えにくかった。

そしてもう一人、

どちらの側についてくれるか分からない者がいた。

祖父である。

続く