大空に舞う白雪第２章 (ページ4)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:14,067 hit

第52話　安心する手ページ4

コンコン

ジ) 「A、入ってもいいか？」

貴) 「どうぞ。」

書類を整理し終わるとちょうどジョットが来たみたいですわ。

ジ) 「急にすまないな。仕事中だったか？」

貴) 「いえ、今一区切りついたところなので・・・。どうかしました？」

ジ) 「そこで上手い紅茶をもらったんだ。良かったらどうだ？」

ーーーーーーーーーーーー

貴) 「どうぞ。」

ジ) 「ありがとう。」

ジョットが街の方に頂いたという紅茶と一緒に私が作ったクッキーとを出す。

貴) 「やっぱり香りがいいですわね。・・・あら？とっても美味しいですわ！」

ジ) 「それは良かった。このクッキーはAが作ったのか？」

貴) 「はい！良かったら皆さんにと思って、手のあいたときによく作るんです。皆さんのお口にあうかわかりませんが・・・。」

　
そう言うとジョットは一枚口に入れた

ジ) 「うん。食感もいいし、バターの香りがしてとてもうまいぞ。」

貴) 「本当ですか！？よかったぁ。」

ジ) 「Aはよくこういうお菓子を作るのか？」

貴) 「ええ。クッキー以外にもマドレーヌや、カップケーキ、たまにチーズケーキやチョコケーキを作ったりもします。」

ジ) 「今度また俺に作ってくれないか？」

貴) 「え？」

俺に？

それはつまりジョットだけにということですよね？

貴) 「もちろんです！」

ジョットのためならいくらでも作ります！

ジ) 「ありがとうな。」

そっとジョットの手が私の頭に乗りそのまま撫でられる

温かくて気持ちいい

目を閉じても安心する大きな手

この温かみをずっと感じていたい

chu

　
　

おでこに感じる違和感と小さなリップ音にびっくりして閉じていた目を開けると照れくさそうに頬をかくジョット

今、おでこにキスされた？

この国ではキスは挨拶代わりのようなものですけど、ジョットにされると・・・

ジ) 「じゃあそろそろ仕事に戻るか。」

そう言って部屋を出て行ったジョットの顔は耳まで赤くて、それを見た私も思わず顔が熱くなった

続く