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第66話 時間 ページ18
真っ赤に染まる夕日を横目に歩く。
せっかく海に来たし、ジョットに買っていただいたパンプスを濡らすわけにも行かないので脱いで手に持ち、後ろで組みながら歩いた。
時折砂浜まで来る冷たい波が足首をくすぶって気持ちがいい。
貴 「ここの景色も変わりませんわね。あの頃と。」
だんだんと沈んでいく夕日によって赤く染まる海を見つめた。
ジ 「あれから10年も経つのにな。」
貴 「そう、10年も。」
ジ 「なあA・・・。」
私の後ろにいたジョットが歩みを止めたのを感じ、振り返ると彼もこちらをずっと見ていたのかすぐに目があった。
オレンジの瞳はただじっと真剣そうにこちらを見ていて1ミリも視線を外さない。
だから私もただ見つめ返し、次の言葉を待った。。
心臓が
鳴り止まない。
痛い。
ドキドキなんてものじゃなくて、
バクバクと私の体の中で暴れまわっているみたい。
ジ 「お前の過去のことを教えてくれないか？」
その時
一瞬
時間が止まったみたいに周りの音が聞こえなくなった。
続く
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作者名：ミユツナ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/akimiyu17/
作成日時：2016年1月29日 17時
