２人の恋２

それらしい２人 ページ38

帰り道を急いで家の近くまで来ると、部屋の窓から灯りが漏れていることに気付いた。

あれ？電気点けっぱなしで出てきちゃった？
そう思って、中に入ると玄関に見慣れたスニーカーがあった。

結弦くんだ！
そうだ、合鍵渡してあるから。
とたんに嬉しくなる。

「結弦くん、いるの？」

呼びかけるとリビングから結弦くんがひょこっと出てきた。

登場もかわいければ着ているゆるめのパーカーまでかわいい。

今日はかわいいバージョンの結弦くんだ。

「おかえりAさん。メッセージ入れたけど忙しかった？今日来て大丈夫だった？」

スマホを見ると仕事終わりの時間と、その後にも何件かメッセージが入っていた。

結弦くんのメッセージを読まずに坂本くんと話し続けていたことに罪悪感を感じる。

やましいことは何もないけど、家まで送ってもらわなくて本当に良かった。

「いつでも来ていいって言ったでしょ。今日は忙しくてメッセージ返さなくてごめん」

「全然。仕事ならしょうがないし」

そう言われてますます申し訳なくなった。

「いつからいたの？結構待った？」

「７時過ぎに来た」

ガーン！坂本くんと喋ってないで早く帰ってくればよかった！

「ご飯は食べた？」

「うん。家で食ってきた。ふふふ」

そういうと結弦くんは何やら含み笑いをしている。

「なんか嬉しそうだけどどうしたの？何かあった？」

相変わらず超絶にカッコかわいすぎてこっちは鼻血が出そうですけど。

「いや、俺らもそれらしくなってきたなって」

「それらしく？」

「うん。恋人っぽく。こうしてるとちょっと新婚っぽい」

うっ。だからこういう微妙な言葉にどう返したらいいのかわかんないんだってば！
この間から何なの、もう。
この年齢の女子を変に期待させるのは人類共通の罪だと訴えたい。

「ふふ。私、着替えてくるね」

「手伝おっか？」

結弦くんが後ろから抱きついてくる。
ふわり、と結弦くんのいい匂いがする。

ど、どうしたんだろ？今日はテンション高め？

「１人で脱げます！どうしたの？なんかいいことあったの？」

「別に。Aさんに会えて嬉しいだけですぅー」

私の肩に顔をうずめて「ふふふ」と笑うからくすぐったいってか、微妙に感じて困る！

「私も嬉しい。けど、１人で着替えられるからそっちで待ってて！」

「はいはいっと」

こんな甘い生活身が持たないと思いながらも幸せで笑ってしまいそうになる。

素早く着替えて結弦くんの待つリビングへ向かった。

彼の口調→←ギャップ

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