東京の夜6 ページ20
【主人公】
部屋のパウダールームでドレスに着替える。
化粧をし直して、髪の毛を巻いて軽く結い上げる。
今日の私は結弦くんの目にはどう映るんだろう。
自信はないけど、結弦くんが望んでくれるならドレスアップすることくらいなんてことはない。
これってコスプレ?アウトなの?セーフなの?ていう疑問はあるけど…。
どっちにしても結弦くんに甘い時間をあげたいから頑張る、って何を?
冷静になるとドレスを着てどうすればいいのかよくわからないけど、とにかくおしゃれして夜景を見たりロマンチックに過ごせばいいと気合いを入れた。
にも関わらず、パウダールームを出たらそこにはスーツ姿の結弦くんがいて、その超絶にかっこよく色気の漂う姿に案の定戸惑いまくる自分がいた。
濃紺の上質そうなスーツ。
スーツの袖からは絶妙なバランスで白いワイシャツの袖が出ていて、首元には私がクリスマスにプレゼントした淡いブルーのネクタイ。
スラックスはしっかりプレスされていて、その折り目が結弦くんの上品さを際立たせてる。
そんな結弦くんが窓辺に立ってこっちを見てる。
か、完璧なスーツ姿!!
そして髪も私好みに上げてくれてる!?お風呂入ったのにワックスつけてくれたのかな。
これは…生スーツ姿を甘く見てたかもしれない。
テレビでクラクラするなら本物では気絶するかもってどうして気付かなかったんだろう。
結弦くんのスーツ姿に気分はすっかり舞い上がっていたのに。
風が吹くように。
不意に泣きたくなるような感情に襲われた。
その場から動けなかった。
胸が締め付けられるように苦しい。
「これ、早速してみた。気に入ってる。ありがとう」
私のあげたネクタイを指しながら結弦くんが微笑む。
お願いだからそんな風に笑わないで…。
「Aさん、ドレス似合ってる。すっげぇ綺麗」
お願いだからそんなこと言わないで…。
「ん?Aさんどうした?そんなとこに立ったままで」
「う…。結弦くんが眩しすぎて動けない…」
泣きそうなのについ変なことを言ってしまうけど、動けないのは本当だった。
動けないほど胸が苦しくなることがあるなんて思わなかった。
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らっき(プロフ) - エミルさん» コメントありがとうございます(*^^*)今後はハラハラドキドキというかなんというかの展開(なんだそれ)になりますが、楽しんでいただけたら嬉しいです!お互い楽しんで書けるのが一番ですよね!頑張ります。 (2021年11月23日 21時) (レス) @page49 id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 自己満足で書いているけど、やっぱり読んでいる方がどう思われているのか気になりますよね〜。この先はハラハラしそうな展開でしょうか?移行後も楽しみにしていますね。 (2021年11月23日 10時) (レス) @page50 id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
らっき(プロフ) - 鹿さん» この後徐々に何かが起こります!(そりゃそうだ)私ももっと日常の羽生さんを書いてみたいなーと思います。(願望)いつもコメントありがとうございます(*^^*) (2021年11月22日 22時) (レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 何かが起こりそうな予感がぷんぷんする!続きめちゃ楽しみです^^羽生さんのご自宅での様子が垣間見れて幸せでした!確かに、読者さんの顔が見えないのはさみしいですよね^^ (2021年11月22日 16時) (レス) @page50 id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
らっき(プロフ) - 鹿さん» 相談相手、いると良いですね。スケートのことなら誰にでもサラっと聞いちゃいそうですよね。んでプライベートのことは話さなそうなイメージです。昌磨さん、平昌の時に比べるとメチャクチャ大人になってました。可愛いからカッコいいになりました。私の中で(笑) (2021年11月16日 8時) (レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らっき | 作成日時:2021年10月13日 14時