彼女の家 ページ46
自分の車だといろいろ危険なのでタクシーを使ったら、さすがに道を知ってるだけあって彼女より早く着いてしまった。
仕方なく、彼女のアパートのちょっと奥まったところで座って待つ。
昨日は暗くてよくわからなかったけど、彼女のアパートは古かった。
というより、ボロいという域に入る。
彼女の風貌からはメチャクチャ意外だ。
おしゃれなマンションに住んでそうなのに。
しばらくするとタクシーがアパートの前に停まった。
中から彼女が降りてくる。
「ごめん!かなり待たせちゃった?」
「いや、さっき来たとこ。こっちこそいきなりごめん」
「とりあえず目立っちゃうとまずいから入って」
彼女はすぐにカギを開けると、家の中に入れてくれた。
初めてAさんの家に入った。
外観は失礼ながらボロいアパートだけど、中はすごくキレイだ。
「散らかってるかもだけどごめん」
彼女がカーテンを開けながら言う。
散らかってない。部屋はめちゃめちゃキレイだった。
ナチュラルテイストでかわいい、雑誌に載ってるみたいな部屋。
台所とリビングと、開け放してある引き戸の奥に寝室が見えた。
いきなりベッドがなくて良かったと、変なところでホッとする。
「すっごいボロくてびっくりしたでしょ?中はリフォームしてあるし、広くて安かったから気に入ったの。大家さんもいい人で、私が入るって言ったら最新のカギに変えてくれて。だからカギだけはすごいの!」
嬉しそうに話すのが可愛い。
でもまずい。思った以上に2人きりは緊張する。
彼女がお茶を淹れてくれてテーブルに向かい合って座った。
「今日はどうしたの?」
うわ。いきなり来るし!
とりあえず会いたくてたまらなくて、坂本と引き離したかったなんてことは言えない。
取材なら何でも答えられる俺が、言葉に詰まってしまった。
「そういえば坂本くんは?」
時間を稼ごう。その間に調子を取り戻そう。
「やっぱり結弦くんの言う通り、男の人を家に入れるのは良くないと思ったから外でご飯食べてきた」
それを聞いてものすごく安堵する。
「そっか。で、楽しかった?」
「…うん。最後にいろいろ話して、楽しかったよ」
いつもと違う表情をしているのを、俺は見逃さない。
153人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
優里奈(プロフ) - らっきさん» わー!読者さんでしたか!嬉しい……(T_T)ありがとうございます!私ももっと萌えを入れたいんですけどね……(^^;頭が硬いせいか、理想とはかけ離れてしまってます(/Д`;新シーズン、どんな羽生結弦が見られるのか楽しみですね(^_^)♪ (2021年7月14日 23時) (レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
らっき(プロフ) - 優里奈さん» 優里奈さんのお話、お気に入り登録させていただいてずっと読んでますよ(*^^*)私は逆にスケートの試合模様とかそういうのが書けません( ;∀;)萌えを追いかけるしかない状況です。笑 羽生さんにハマると沼ですよね!笑 こちらこそ更新楽しみにしております(^-^) (2021年7月14日 21時) (レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
優里奈(プロフ) - ワールド2021で羽生くんにハマった者です(^ ^)素敵なお話ありがとうございます(*´`)私も羽生くんのお話書いてるけど、片想いの様子?気持ちの表現?が上手く書けなくて(;∀;)らっきさんのようにドキドキするお話が書きたい!と思ってます(*^^*)更新楽しみにしてます♪ (2021年7月14日 20時) (レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
らっき(プロフ) - だんごさん» はっ!ごめんなさい。返信からではなく普通にコメントで打ってしまいました。返信は↓です。 (2021年7月13日 17時) (レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
らっき(プロフ) - えっ!ほんとですか?とってもとっても嬉しいです!星が欠けてるから、つまらないんだと思ってたので、ほんとに嬉しい!ありがとうこざいます( ;∀;) (2021年7月13日 14時) (レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:らっき | 作成日時:2021年7月6日 14時