満月の夜に乾いたギターを２【完結】 (ページ23)

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ご飯を食べ終えると
大我さんはこっち来てって一言

満月の下
いつもの大きい窓の傍に並んで座る
何も変わらなくてびっくりするぐらい懐かしい

「誕生日おめでと｣

大我さんは
グラスにお酒を注いだ

弱いのにしといたってふんわり笑って
よく見れば去年誕生日にもらったグラス

まるで私がここに来るのを待っていたみたいな

不思議に思いながらひと口飲む

「どう？」

『なんか甘いです』

「なにそれほんと変わんないよね」

『うんいちごみたいな味する』

「まじかいちご？」

『うん大我さんも飲む？』

「もらおっかな」

いいよほらってグラスを持ち上げると
ぱしって床にもどされて

大我さんは前のめりになった
顔と顔がぐっと近くなる
目にかかった金髪から長い睫毛が見えて
妖しい目がぱちっとあう

「そっちじゃないこっち」

確かめるように
ちゅってした

「ほんとだねいちご」

びっくりして頭が働かない私を見て
大我さんはふふって笑った

「A？」

やさしい声
ほっぺを包まれて顔を前に上げると
まっすぐ目が合う

「好きだよ」

たいがさんは
追い打ちをかけるように言った