リターン人狼�� ページ32
「オオガミ……」
呟く俺から、彼はそっと視線を離した。
「二人も、人狼ゲーム参加者だよね？」
笑顔で聞いて来たのは、薄茶色の長い髪を、白いシュシュでまとめた少女。
「あ、ああ……」
「だよねー！ 私、くらげっていうの。よろしくね！」
俺より少し年下らしい少女は俺の手を掴み、縦にぶんぶん振るが、俺は彼女の名前がくらげである事に若干驚いていた。
「え、えーと……俺はくじら」
「くじらくん？ へぇー！ 私と似てるんだね！」
にこにこ笑う彼女の隣で、金髪の青年が「人狼は初めてっすか？」と訊いた。
「いや、えっと……」
「……多分、ここにいる奴全員、何回目かだろ」
素直に応えるべきか迷った俺に、助け舟を出してくれたのは、意外にもオオガミだった。
「初めての奴はいないんじゃねぇのか……自主的に参加した奴もな」
「どういう意味です？」
そう訊ねたのは、燕尾服のような濃紺の服を着た年配の男性。
「そのさ……全員、一回はこのゲームに参加した事があってよ。前回勝ったのに、何故か再び招待を受けた。で、全員ここにいる……って感じじゃねぇの？」
「アタシは初めてよ？」
手を挙げたのは、長い髪を紫色に染め、同じ色の口紅を塗った
「人狼ゲーム……っていうの？ やった事がないわ。皆は知っているのかしら？」
「俺は知ってるっすよ！」と、先程の金髪の青年が言った。
「姐さんは知らないっすよね。俺、何回かやった事あるんすよ」
「そうなの。ケイくん、詳しいのねぇ」
紫色の長髪の男性の台詞に、ケイと呼ばれた彼は「やった、姐さんに褒められた！」と嬉しげだ。
「あ、俺、Ｋっていいます！ 姐さんと同じ職場で働いてて、人狼ゲームに関しては結構マニアックなんすよ、俺！」
「……他に、ゲームを知らない方はいらっしゃらないのですか？」
年配の男性が言ったが、紫の髪の男性――姐さんの他に、知らない人はいないようだった。
「……ほとんどの人が初めてじゃないんだねー」
高校生くらいの少女が、黄色のパーカーに付いた猫耳を弄りながら言う。「参加はどうなの？」とその横に座る、深緑色の上着に稲妻のイヤリングをした青年が訊いた。
「自主的に参加した人が一人もいないって事は、強制参加で連れて来られたって事だよね？ 少なくともおれはそうだけど」
皆はどうなんだろう、と言う青年に、くらげさんが返した。
「私は、強制参加させられたって感じだよ！ 皆もそうじゃない？」
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くろーさぎ(プロフ) - みるくプリンさん» ありがとうございます……！！そう言って頂けると大変励みになります！閲覧ありがとうございます！(* > <)ﾍﾟｺﾘ (2019年8月10日 17時) (
レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - こんにちは。面白くて一気読みしました！普段、恋愛系の作品しか読まないのですが、こういうのも良いですね。これからも頑張ってくださいっ(*´∀`) (2019年8月10日 17時) (レス) id: 7db76bcf0c (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - ランさん» コメントありがとうございます！！はい、更新頑張らせて頂きます！閲覧ありがとうございました！m(_ _)m (2019年7月2日 16時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
ラン(プロフ) - イベントの方から来ました。読ませてもらいましたが、人狼ゲームのお話はあまり読んだことがなかったのでとても面白いと感じました。更新楽しみにしています♪ (2019年7月2日 15時) (レス) id: 48cb23a0f9 (このIDを非表示/違反報告)
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