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日常リターンズ ページ25

「はあぁー……」

大学から帰る途中、俺は大きなため息をついた。

結局、午前中の講義には出席出来ず、レポートも未完成のままで、教授にこっぴどく叱られた。

「クソ……イルカめ!!」

イルカに誘われたせいで、俺はレポートを完成させられるかもしれないチャンスを失ったのだ。

何気なく道路の向こうに目をやった俺は、動きを止めた。

「アネモネさん……?」

黒のコートを着て、相変わらず黒ずくめの彼女は俺に気づくと、ハッとしたように視線をそらして歩き去る。

「あっ……アネモネさん!!」

まずい、これは俺とアネモネさんが仲良くなれるチャンス!! 無駄にするわけにはいかない!!

「アネモ――」

突然、後ろからぐいっと肩を引かれ、俺は歩道に勢い良く尻餅をついた。

ゴオッ!!

瞬間、俺の目の前を、物凄いスピードで車が通り過ぎた。

「……え」
「……大丈夫か?」

車にはねられそうになったのは人生初だ……冷や汗をかく俺に、さっき俺を引き止めてくれた男性が訊いた。

「え、ああ、お陰様で……」
「……なら、良いが。次からは気をつけろ」

素っ気ない口調で言う彼だが、俺が座って呆然としているのを見て、「……ったく……」と呆れたようにため息をつき、俺に手を差し伸べた。

「……早く立て。ここじゃ人目につくだろ」
「あ、ああ、ありがとう。……あの、さっきも」

手を掴んで立ち上がり、ジャージについた汚れを払った後、俺はパーカーを着たその人物を見た。

「……あんたは……?」

行くぞ、と彼は俺の手を引いて歩き出した。「え、あ、え!?」と困惑するが、力の強いそいつに、俺は引きずられるように歩いて行く。

「……ちょっ……!!」
「……まだ、分からねぇのかよ」

フードを深く被り、顔のよく見えなかった男が、振り返りながら赤いフードを取った。


「……オオガミ……!?」


「ああ」とオオガミは言って、足を止めた。

「イルカに聞いたぞ、ゲームに負けたって。残念だったな」
「べ、別に、残念ではないけどな……ていうか、イルカを知ってるのか?」
「いや、俺も知り合ったばっかりだ。……来い」

オオガミは俺をぐいっと引き寄せ、耳打ちする。

「気をつけろ。お前、命を狙われてるぞ」
「えっ……!?」

訊き返した俺を置いて、オオガミは「こっちだ」と歩き出す。

「あっ、お、おい……!!」

俺は、慌てて後を追った。

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くろーさぎ(プロフ) - みるくプリンさん» ありがとうございます……!!そう言って頂けると大変励みになります!閲覧ありがとうございます!(* > <)ペコリ (8月10日 17時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - こんにちは。面白くて一気読みしました!普段、恋愛系の作品しか読まないのですが、こういうのも良いですね。これからも頑張ってくださいっ(*´∀`) (8月10日 17時) (レス) id: 7db76bcf0c (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - ランさん» コメントありがとうございます!!はい、更新頑張らせて頂きます!閲覧ありがとうございました!m(_ _)m (7月2日 16時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
ラン(プロフ) - イベントの方から来ました。読ませてもらいましたが、人狼ゲームのお話はあまり読んだことがなかったのでとても面白いと感じました。更新楽しみにしています♪ (7月2日 15時) (レス) id: 48cb23a0f9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くろーさぎ。 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年6月30日 11時

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