解放ウルフ�� ページ23
意味が分からなかった。
こいつは何を笑っている？
「……お前、変わってるとかいうレベルじゃねぇな。……何で俺をゲームに誘ったんだ？」
「それよりも、まずは姐さんの処刑が先だよ」
そうだ。今更イルカが人狼と分かった所で、村人の負けは確定している。アネモネさんと俺は処刑され、勝ったイルカは外に出る。そして、また次のゲームに参加するのだろう。
「……っ」
「え？」
アネモネさんの顔が歪む。そのまま、黒服の身体はゆっくりと、コンクリートの床に倒れ込んだ。
「ここまで生き残ったんだから、痛くないようにしてあげるよ。君も、姐さんもね」
「……何したんだ」
イルカは笑顔で、自分の首元を指差した。
「さっきのくじらくんみたいに外に出られたら、処刑の装置が届かないよね？ いざっていう時のために、首元にチップが埋まってるんだ」
「……何でもありかよ……」
ここは仮想空間だ。確かに、やろうと思えば何でも可能かもしれない。でも、だからといって、何でも許されるわけではないだろう。こいつはルームマスターと知り合いなのを良い事に、俺をゲームに巻き込んだ。
「……何のために？ 何でお前はこんなゲームを楽しめるんだ？ ……どこで俺の事を知った」
俺はこんな奴、記憶に無い。イルカはどこで俺を知った？ 何故俺をゲームに誘おうと思った？
「……色々と混乱しているよね。じゃあ、今日はこの辺でお開きにしようか」
イルカは右手を差し出して来た。部屋に入った俺が、初めてイルカに話しかけられた時のように。
「……何だよ」
イルカの後ろで、倒れたアネモネさんは、ぴくりとも動かない。死んでいるのだ。この空間の中では、本当に。
「君とは良い友達になれそうだよ」
ふふっ、とイルカが笑う。知らねぇよ、と言おうとした俺は、突然、首元に鋭い痛みを感じた。
「……う」
視界がぐらり、と大きく揺らぐ。気づけば、硬い地面に倒れた俺を、イルカが満足そうに見下ろしていた。
「……楽しかったよ。また、会えると良いね」
そう言われたのを最後に、俺の意識は途絶えた。
＊
――よォ。
どうだ？ 毒針を刺された気分は？
痛かったか？ まァ、そうだよな。
……お前は誰かって？
ンなの、どうでも良いんじゃないのか？
テメェには関係ねェ事だ。
……あァ、一つだけ、言っておこうか。
早く起きた方が良いぞ？
んじゃ、次のゲームも楽しみにしてるからな。
“くじら”……。――
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くろーさぎ(プロフ) - みるくプリンさん» ありがとうございます……！！そう言って頂けると大変励みになります！閲覧ありがとうございます！(* > <)ﾍﾟｺﾘ (2019年8月10日 17時) (
レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - こんにちは。面白くて一気読みしました！普段、恋愛系の作品しか読まないのですが、こういうのも良いですね。これからも頑張ってくださいっ(*´∀`) (2019年8月10日 17時) (レス) id: 7db76bcf0c (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - ランさん» コメントありがとうございます！！はい、更新頑張らせて頂きます！閲覧ありがとうございました！m(_ _)m (2019年7月2日 16時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
ラン(プロフ) - イベントの方から来ました。読ませてもらいましたが、人狼ゲームのお話はあまり読んだことがなかったのでとても面白いと感じました。更新楽しみにしています♪ (2019年7月2日 15時) (レス) id: 48cb23a0f9 (このIDを非表示/違反報告)
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