JUMPの闘病生活。３ (ページ25)

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侑李の学校生活ページ25

侑李サイド

バクバクと心臓が大きな音をたてて、高速で動いている。

クラス中の視線が僕に集まっていた。

侑李「はじめまして。伊野尾侑李です。侑李って呼んでいただけたら嬉しいです。部活はサッカー部に入ってみたいな、と思っています。短い間ですが、これからよろしくお願いします！」

僕は深くお辞儀をする。

何度も練習したおかげか、噛まずに最後まで言えた。

顔をあげれば、全員が拍手をしてくれる。

初めてだけど、病院とどこか雰囲気が似ていて、少し安心した。

先生に「あそこの空いている席に座ってね」と言われ、窓際の席に着く。

海「よろしく」

隣の席に座っている男の子が、話しかけてくれた。

侑李「……海くん？よろしくね！」

机の上に置かれたノートに書いてある名前を読んでそう言うと、海くんは笑った。

海「呼び捨てでいいよ。くん付けとかされたことないから」

侑李「じゃあ僕も。呼び捨てでお願いします」

僕がペコッとお辞儀をすれば、海く……海は「可愛いね」と微笑みながら言ってくれる。

嬉しかった。

僕に優しくしてくれる人がいることも、その人と出会えたのも。

すごく嬉しくて、胸がいっぱいになった。

喜びを噛み締めていると、朝の会は終わり、休憩時間になった。

海「俺、サッカー部入ってるんだ。部活一緒に行こーよ」

海は、椅子を僕の方に向けて座った。

侑李「うん！」

海「俺も転校してきたからさ、その、大変なこととか多いと思うけど、そういうのもわかるから。学校のこととか、わからないところがあったら聞いてね」

侑李「ありがと」

海は涼介みたいだった。

顔も声も違うけど、涼介と同じ優しい感じだ。

頼りになるところも、相手のことを考えるところも。

僕の大好きな涼介を、姿だけを変えてコピーしたんじゃないかと思うくらい、二人は似ていた。

今日涼介のところに行ったら、海のこと話そう。

涼介、どんな反応するのかな。

病院に行くの、楽しみだな。

こんなにも涼介に話したいと思ったことは、初めてのことだった。