JUMPの闘病生活。３ (ページ24)

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侑李の学校生活ページ24

侑李サイド

侑李「はじめまして。い、伊野尾侑李です。侑李って呼んでくれたら嬉しいです。部活は、サッカー部に入りたいです。やったことないけど。短い間ですが、これからよろしくお願いします！」

鏡に映った、制服姿の僕に向かって、自己紹介をする。

昨日から何度も何度も練習しているけど、自己紹介なんてやったことないからすごく緊張して。

これを知らない人たち30人近くの前でやったら、僕、多分心臓止まって死んじゃうよ。

それに、〝伊野尾侑李〟という単語がすごく変だ。

伊野ちゃん先生の義理の息子だから、伊野尾という名字になった。

本当は義理(▼▼)なのだから、そのままでも良かったらしいんだけど、事情を先生に説明するのが面倒くさいから、という理由でこうなった。

でも、「伊野尾くん」と呼ばれたら絶対に反応できないよ。

伊野尾先生「侑李？あとちょっとで出るからね？」

侑李「う、うん」

伊野尾先生「きんちょーしたら、もっと心臓バクバクしちゃうよ？」

侑李「だって……」

伊野ちゃん先生は、「春からでも良かったのに」と呟いた。

伊野ちゃん先生は、冬の転入生は目立っちゃうから、３年生からにする？と言ってくれていた。

だけど、部活に入るのなら少しでも早いほうがいいかな、と思って、僕から今がいいと言ったのだ。

侑李「友達出来るかな……」

伊野尾先生「多分大丈夫だろ、侑李は」

侑李「なんで？」

伊野尾先生「だって可愛いもん。俺の同級生にこんな可愛い子いたら、絶対その子と友達になりたいって思う」

伊野ちゃん先生は、キリッと真面目な顔をしながらそんなことを言っている。

少し変で笑ってしまった。

伊野尾先生「その笑顔でいれば大丈夫」

伊野ちゃん先生はそう言って、僕のほっぺを人差し指でツンツンしてくる。

伊野尾先生「そろそろ行くか」

侑李「うん」

僕は全身が映る鏡の前でくるりと一回転して、服装が整ってることを確認した。

教科書も50分授業も、制服だって。

初めてのことがたくさんある。

でも、もう僕の胸には不安などなくて。

その代わりに、学校生活を楽しみな気持ちや、自分への期待でいっぱいだった。