JUMPの闘病生活。３ (ページ23)

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家族と相棒ページ23

涼介サイド

重い瞼を開けると、俺を覗き込む有岡先生と侑李の顔が映る。

涼介「侑李……なんて顔してんの」

侑李の瞳はほのかに潤んでいて、口がプルプル震えていて。

侑李「涼介が死ななくて良かったよぉ」

侑李は、俺の手を両手で包み込むように握ってくる。

そのとき、侑李の手に湿布が貼られていることに気付く。

ああ、そうだ。俺のせいで……。

「「ごめんなさいっ！」」と、俺と侑李は同時に謝罪の言葉を口にする。

侑李「辛いの、我慢させちゃって。ずっと隠してたんだよね？ほんとにごめんなさい」

涼介「俺も。本当は侑李のこと守らないとダメなのに。全然守れてないし、それに怪我までさせちゃって……。ごめんな、侑李」

俺が最後まで言い終わったところで、有岡先生が「ふっ」と笑った。

いい感じのムードだったのに、台無しだよ。

「なにがおかしいの？」と侑李は若干怒り口調で冷たく言い放つ。

有岡先生「お前らなんか変だよ。目が覚めたばっかりなのに、お互い謝るなんて」

侑李「変じゃないもん！」

涼介「そうだよ。あの雰囲気で笑う先生の方が変だよ？」

有岡先生「はいはい、すいませんね」

適当な返事をする有岡先生に、「すいませんじゃなくて、『すみません』ですよぉ？」といやらしい言い方をする侑李。

おどけた口調だけど、目が本気(マジ)で少し怖い。

涼介「あれ、伊野尾先生は？」

なんか嫌な予感がしたから、俺は慌てて話題をそらす。

有岡先生「さっきまでここにいたんだけど。電話で呼び出されてどっか行ったよ」

涼介「そうなんだ」

「ありがとう」って、ちゃんとお礼言いたかったのに、残念だな、と思った。

有岡先生にも言うつもりだったけど、なんか笑われて言うタイミングを逃してしまった。

有岡先生は今度言えばいいにしても、伊野尾先生には早く言っておきたかった。

侑李「涼介、もう無理しないでね」

涼介「うん、わかった」

ずっと俺の手を握ったままでいる侑李の頭を撫でてやると、侑李は甘えたように俺に抱きついてきた。

そんな俺たちを、有岡先生が微笑みながら見守ってくれていることに、俺は気づいていた。