JUMPの闘病生活。３ (ページ3)

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家族と相棒ページ3

侑李サイド

また涙がこみあげてくる。

涼介の方が辛いのに。涼介は頑張っているのに。

伊野ちゃん先生も、困った顔をしている。

侑李「ごめん、泣かない。もう、泣かないよ」

伊野尾先生「泣くなとは言ってないけど……」

侑李「僕たち、ずっと一緒でさ。一緒に生まれたから、一緒に死ぬと思ってた。最後まで、ずっとそばにいるんだと思ってた。だからね、泣きたくなる」

伊野尾先生「うん」

侑李「あぁ、もう幸せは終わっちゃうのかなって。涼介を苦しめる神様なんて嫌いだけどね。涼介と同じ苦しみと痛みを味わわせてやりたいくらいだけど。今はね、そんな神様にすがることしかできないんだ。お願いするしかないんだよ」

そんな自分に腹が立つ。

神様なんて大っ嫌いで、いるのなら殺してしまいたい。

何も悪いことしてない涼介は苦しんでいるのに、悪いことをした犯罪者はのうのうと生きていく。

神様はこんなにも残酷な結果を選んだ。

それなのに僕は、神様に願うしかない。

それくらいのことしか、できないんだよ。

伊野尾先生「ごめんな。俺も、医者なのに涼介を治せない。俺だって神様に願うしかない。なんのために医者になったのか、わかんなくなる」

肝心なときに、俺は無力なんだ、と伊野ちゃん先生は言った。

さっきまでは、泣いてはいなかったのに。

ポロポロと涙を流したのは、伊野ちゃん先生の方だった。

僕は涙目で耐えていた。

２人で泣いたら、ダメだから。

僕は泣かなかった。

そのかわり、神様への怒りを噛みしめた。

唇を噛むと、力を入れすぎたせいで口腔内に血の味が広がった。

涼介を苦しめるのも、伊野ちゃん先生や大ちゃん先生を泣かせるのも。

神様は意地悪だ。僕たちを見捨てたんだ。

侑李「ごめんなさい。許してください」

僕はそう言ったあと、思いっきり目を瞑った。

目にたまっていた涙が、勢いよく溢れた。