【薄桜鬼】私は幸せなんです 【番外篇】

幸せな未来 ページ32

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新選組を抜け、平助と2人で暮らすようになってからお互いあまり外に出なくなった。それは羅刹になって昼間にあまり出られないこともあるし、元新選組として簡単には出られなかったから

普通にしてたら、ただの若夫婦なんだろうけどね

でも、互いにいつ消えてしまうか分からないからこそ離れることはなかった

それでも一応食事を取ったり、睡眠を取ったりするのは長生きには多少必要なことで食物を買いに外に出ることもあった


『今日は暖かいね』

平「雲一つないな〜」

暖かい、ってか暑ぃわ。なんて平助は額に滲んだ汗を拭った
食物買ったら早く帰らないと、物が駄目になりそうだな。なんて考えているとふと平助の足が止まった

『平助？どしたの』

どこか遠くを見て、平助は驚いたように固まっていた
なんてあほ面なんだ

平「あれ、」

平助が指を指した方には、懐かしい人がいた


『え、…？』



そこには、私達と同じような若夫婦がいて。旦那の方は、あんま若くないけど
幸せそうに、並んで歩いている__________千鶴と土方さんがいた


『生きて、たんだｯ…』

良かった__________
それしか、出てこなかった

新選組はある日全滅したと噂で聞いた。私も平助も、それは覚悟していた。そうなると思ったから、2人の残り短い人生のために抜けたんだから

それでも、あそこに居た人達は皆大切な人でそれを聞いた時泣きまくった
家族を失った悲しみと、少しの罪悪感



千鶴と土方さんは、早くくっつけよってずっと思ってた。千鶴は特に、若いのに凄い苦しい過去を持ってて、それでもあの子は前を向いていた


平「なぁ、見てみろよあれ」

平助に言われよく見ると、千鶴は赤子を抱いていた。2人の子供かな…

『……幸せそうで良かった』

あんまりにも嬉しくて、涙が零れた


あんな幸せそうな顔した土方さん、屯所時代でも滅多に見なかったよ。良かったね、千鶴。おめでとう、2人とも




平「俺らも生まれ変わったら、また結ばれて次は子供もつくって長生きして__________もう一度、幸せになろうな」

『うん_____』

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