第一章：夜明けより ページ2
*
その日は随分と平凡で、何事もない日常の延長線上にあった。
静かな空気に混じって合唱が聞こえてくる。
此処は1階だというのに5階で行われていることが電話も介さずに伝わってくるということは、彼らはさぞかし元気なのだろう。
私自身それを羨ましいとは思っていないが、それが社会的に見て「正しい」こと、「善い」こととされているのならばそうしなければならないのだろう。
腐ってもそれを説くのは教師なのだから、一介の生徒である私にはどうしようもないことである。
ふと、思う。
「ゆっくりでいいから、行けるようにしよう」
「大丈夫、大丈夫。誰もあなたを傷つけたりしないよ」
そんな言葉の数々を口にして、教師たちは私を「矯正」しようとした。
事実、私に実害的な危害を加えるようなことは誰一人としていなかったが、私の思考は様々な「優しさ」や「行動」を「攻撃」に変えていくのである。
だから、そんなことを言われたって無理なものは無理だった。
「大丈夫？」と心配する声の裏に「お前は私より下等だから助けてやる」という考えがあるのではないかと何度考えたことか。
一番辛かったのは、仲がよいと思っていた人が私以外の人と話しているのを見ることだ。
「あの人に私は必要ないんだ」というネガティブ思考が発展して、「私は誰からも必要とされていない」「私の居場所はどこにもない」という負のスパイラルが、それを見る度に押し寄せていた。
「必要ないのならば生殺しにしないでくれ、さっさと絶望させてくれ。そうしたら何も思わずに死んでいけるから」と、今だって本気で思っている。
他人からすれば馬鹿な話かも知れないが。
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暁の園(暁夢路)(プロフ) - みしろさん» い、今通知を見てビビり散らしております……か、感謝の極みであります……！！ 読みやすいと言っていただけて安心しました、如何せん小生文体が堅くなってしまった人間でしたので(-_-;) コメントありがとうございます、頑張ります！！ (2019年11月2日 7時) (
レス) id: 2136db8e08 (このIDを非表示/違反報告)
みしろ - 回答パートも嫌味がなくて納得できるし、こんな考え方もあるんだ…！と素直に感心しました…これからも体調にお気を付けて頑張って下さい…！勝手ながら影からひっそり応援させていただきます (2019年11月2日 7時) (レス) id: 950f4c5674 (このIDを非表示/違反報告)
みしろ - 圧倒的な語彙力を感じました…とても読みやすくて頭にすんなり入ってくるので時間を忘れて熟読できました…！ (2019年11月2日 7時) (レス) id: 950f4c5674 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁の園 | 作成日時：2019年5月14日 20時
