アカシャ・クイール (ページ16)

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何故か怖がられた。引き抜こうと手をかけて、眉間から短剣を抜…けない。刺さり過ぎ。

ルキ「ちょっと貸してみな。」

ルキアが力を入れたら、一発で抜けた。馬鹿力め。その辺りの草で血を拭って、仕舞う。

ルキ「ありがとね。アカシャ。あたしが明るくなんてないって話、ちゃんとしてやるよ。」

…自分から地雷に突っ込んでいくタイプだな。ルキア。

アカ「わかった。でも…死体のそばじゃ嫌だな…」

ルキ「そうだね…移動しようか。」

適当な岩場を見つけたので、ルキアはそこに腰掛け、話を始めた。

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爆発の話は本当なんだけどさ、あたしの家、父親がけっこうな暴力男だったんだよね。酒とか飲んでりゃ機嫌はいいんだけど、酔ってても、男は偉い。女は三歩下がっとけみたいな、
…要するに、古い男だったね。まぁ、外面はよかったが。

殴られ蹴られしてるのを見るのも、好きな奴はあんまいないだろ。話を聞いているだけだって、気持ち悪いのなんのって…

物理的に身体がもたないし、精神的にも、きつかったな。爆発のせいで皆カリカリしてたし。

いつだったかな、忘れたけど、刃物持ち出されたことがあって。なんか薬でもやってたのかな。ぶんぶん振り回してさ、

「出ていけ無能‼お前みたいな無能は存在しない方が世のためだ‼」

なんて言われてさ。

ちょっと怖かった。目がイっちゃってたからね。
家を出てからも、トラウマ化してて。辛くて、たまに一人で泣いた。
でも、何も考えなければ、もう辛くないだろう？

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ルキ「あれ、なんであたし泣いてんだろうね。嫌だな…はは…」

泣きながら笑ったルキアはとても弱々しくて、辛そうで、小さく見えた。

アカ「…ルキア。」

ルキアに近づいてそっと抱き寄せる。そのままもう一方の手でいたわるように撫でてやる。

ルキ「やめてよアカシャ…泣いちまう…」

アカ「泣きたい時は泣けばいいだろう。見られたくないなら見ないし。」

私が抱き締めたまま顔だけ逸らすと、ルキアは声を上げて泣きだした。
まるで雨の中泣いていた私のように。