閉幕！フラワーフェス ページ5
小屋の扉を内側から触れば、パラパラと張られている結界が落ちていく。防音魔法を張られていたようだ。
それで外の戦いに気付いてなかったと。さらに？俺は腕から血を流していて…。
これはもう避けようのない罪の擦りつけが行われてしまった。もう起きた、という発言からして一度ルナは偽物を倒してチーノを見つけているだろうし。
今、目の前には追跡魔法で確認した時よかはマシになっている気絶したチーノ。彼を抱き抱えるルナ。
そして2人を守るようにして魔法の発動準備を整えているオスマン。
マズい。とてもマズい。
今ルナによる光魔法を食らえば確実にノックアウトする。ましてやオスマンの魔法の巧さは今日のパフォーマンスで十分理解させられた。
逃げなきゃ、、ヤバい。
「ﾁｯ……」
いけない、思わず舌打ちが溢れてしまった。
ルナは音を聞いてより鋭い視線を俺に向ける。
仕方がない。ここは一旦悪役ムーブ決めとくか？
そして早々に冤罪を晴らした方が、むしろ俺の学院生活という名の首は切られないだろう。
「全く、2人がこちらに来るなんて予想外でしたよ」
lu「どうして…どうしてこんなことを！」
「あのですね、そんなこと言ってる暇があるならその光属性の魔法で治したらどうです？」
俺の言葉にルナはぐ、と口をつぐんだ。数秒待ってみるがルナが魔法をかける気配は微塵もない。
「あぁ、もしや遊んで疲れて使えませんか？________特待生様？」
確かショッピルートで問題が起きた時に、ゼペルちゃそはこんな感じで主人公を煽るセリフがあった。
使わないと思ってた神様の手紙『ゼペルちゃそ煽りセリフ集』…役立つ日がこんな早くに来るとは。
そしてこういう時、悪役は後ろを向いてスタスタ歩いていく。こんなセリフを吐きながら。
「フ、……では失礼します」
回復魔法で使うはずだった魔力で荷物が置いてある図書館へと向かった。
・
・
md「ﾊｧ……ヒドイ」
Pe「他の警備隊員に連絡したからすぐに到着する。緑くんは他の人が来ないよう結界張って」
to「俺は小屋の3人から話聞いてくる」
md(……Aさん…大丈夫カナ…)
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作者名：あんべべ | 作成日時：2021年10月9日 16時
