・ 〜schema〜 ページ48
声をかけると生徒は驚いた顔をする。
生徒「いいんですか…?」
「勿論。互いにひとりぼっちなら一緒に雑談でもしませんか?まぁゼペルの家の者が嫌だったらいいですけど…」
生徒「嫌じゃないです…!あの、図書館に一緒に行かせてください…!」
ぐいと顔を近づけ瞳をキラキラと宝石みたく輝かせる姿は愛嬌があり、つい気が緩んでくる。
偶然だとしても出会えたのなら、色々話してみよう。
こうしてこの親近感の湧く生徒と一緒に図書館へ行くことになった。道中にフェスの話をしてみたのだが、この生徒…どうやら両日ともに参加していないらしい。
出店にも行かなかったのかと驚いてしまったのだが、僕なんかが参加したら…と暗い顔をしたため何か問題を抱えているのかもしれない。
「じゃあ、俺とエッグハントに参加しません？」
生徒「い、いいんですか？」
「ええ、せっかくなら1つくらいイベントに参加しましょうよ。…まぁ少し変装してになりますけどね」
いかがですか？と誘えば生徒はとても喜んだ。ぱあぁと明るくなる表情に、これは絶対参加しようと決意が固くなる。
来年以降に俺も参加(まず命があるかどうかだが)できるかわからない。今楽しめるなら楽しまなければ損だろう。
生徒「私、服飾魔法が得意なんです!よければゼペルさんの服も作らせてください!」
「それは頼もしい。ぜひお願いします。ええと…」
互いに自己紹介を忘れたままだった事を忘れており、揃って「あっ」と思い出す。
Ri「1年のリリー＝ニーアです。テクニカクラスに所属しているので、普段は別の校舎にいます」
テクニカクラス、確か8大属性ではなくそれ以外の魔法を主として扱う魔術師が、技術を磨くクラスだったはず。ゲームキャラに通っているものはいなかったが、オスマンのルートに関する手紙に少しだけ出てきたワードだ。
彼も8大属性ではない植物魔法を主として使うため本来ならばあっちに行くはずだった…的なことを言う場面があるのだとか。ただ8大属性のうち3つは人格のおかげもあり使えたため、自分の意思でテクニカには行かなかったらしい。
「ニーアさん…よろしくお願いします。俺はゼペル・Aです」
Ri「よろしくお願いします!Aさん」
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作者名：あんべべ | 作成日時：2021年9月26日 19時
