恋愛ゲームの悪役に転生。だが男だⅡ【男主】 (ページ20)

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「下は騒がしそうだな…」

寮から校舎に近づくにつれて、生徒の数が増えていく。朝の7時とはいえ準備も最終段階のため、駆け回っている人がなんとなく多い。

(…近づいてじゃないと見れなそうだな)

表の前にも人だかりができており、かつ紙に印字されている字のサイズがかなり小さかった。
これはいやでも地上に降りて見なければならなかった。

「なんて美しいお姿なんでしょう…!」
「あんな生徒いたか?」
「私は見た事ないわ。どなたなのでしょう」

…すごい、見た目違うだけでこんなにも反応が変わるのか。入学式とはまた違った意味で真ん中に道が生まれ、表の内容をすぐ確認することができた。

(俺は…6ブロックある中の青ブロック。同じブロックにはウツとシャオロンか。他には…キリヤンとアロエ…ん？)

見たことのある名前に思わず眉がピクリと動く。
確か彼らはピクトより後の追加コンテンツ、もしくは新章組の人たちだったはず。

ゲームならば何周もして1人ずつ会える訳だがこれは現実。そんな決まり関係なく大量にキャラが出てくるというわけだ。

「見て！チーノ様とショッピ様よ！」

顔も知らない生徒の声で振り向く。そこには階級に見合う服装をする2人が。

(…そっか。このイベントで初期メンバーの正装が開放されるんだっけ)

フラワーフェス開幕時、初期メンバーたちが所属する生徒会は地位が高い来賓たちへの挨拶があり、いつもの制服ではなく「某アイドル事務所の王様と王子様グループ」のようなひらりとした正装姿で登場する。

フォロワーさんが言うには、全キャラの特殊衣装はどれも質が高く全開放に奔走するプレイヤーが多かったらしい。

shp「あの人…」
ci「初めて見る人やな。…にしても綺麗な髪」

俺の顔をよく知る2人にじっと見られバレるのではないかと不安になってくる。あまり見ないでくれないか…前世の頃から人の目線には強くない事もあり早くこの場から去りたい気持ちが迫り上がってきた。

それっぽく笑みを送って図書館へと空を飛んで逃げ出した。

(はぁ…緊張した…)