恋愛ゲームの悪役に転生。だが男だⅡ【男主】 (ページ17)

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カチャ、カチャと食器を洗いながら、今回の夕食について反省会を始める。

結局、オスマンは最後までもう一つの人格を見せなかった。もしかして変わるきっかけや条件が必要なのだろうか。

ヒトランも帰り際に笑顔を見せたら微笑み返してくれたので一安心。

現在の2人の好感度は
ヒトラン→27
オスマン→30
となっていた。

なぜかロボロとショッピの2人より高い。まだあいつらは25にもなってないのに。

(もしや主人公は年上の方が好きなのか?それとも犬派で身長低いのはダメとか?)

恋愛は見た目ではなく心がメインだと思っていたが…ゲームだからこその好みの表れがあるのだろうか。

「とはいえ…この調子で本当に一年で100になるのか…？」

このゲームは2年間の交流を経て告白イベントが来るシステムとなっており、好感度上限値は通常の恋愛ゲームよりも高く設定されている。

まず1年目最終イベント終了時までに、攻略したいキャラは好感度を100にしなければならない。そして2年目のラストに告白されるためには175を超える必要がある。

(何気にここら辺むずいよなこのゲーム。下がる時はちゃんと好感度下がるとつぶやきで見かけたことあったし)

「だからこその大型イベント…としてもなあ」

季節ごとにあるイベントでは、ここぞとばかりに好感度大量獲得のチャンスとなっている。ある意味、選択を間違えて困っているプレイヤーへの救済措置なのかもしれない。

しかし、これは悪役サイドの俺からしたら恐怖なところ。
だって国外追放マスへ突然30歩近づけって言われたら嫌だろう？？

まだ俺が交流できてないキャラクターも何人か居るし。事件もあったせいでキャラクターたちとの交流シーンを観れていないから好感度の確認ができていない。
これで急上昇された日には終わりが迫ってくる。

「フェス…ヤバそうだな」

今回のイベントも俺は色々することがあるため主人公たちに関わることができない。

とはいえ、本来ならあったチーノルートのように選択キャラによっては俺と衝突とかある。よって、今日の食事以上に油断している暇がない。

「気をつけるぞー。お、おー」

俺以外に誰もいない家庭科室に、棒読みな声が若干響いていた。