恋愛ゲームの悪役に転生。だが男だⅡ【男主】 (ページ16)

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2人は俺の提案にハテナを浮かべている。
シャルロット、帽子に見立てて作られたフランス菓子のことである。

パンかスポンジケーキ・クッキーを型に貼り付け、その中にホイップクリームやカスタードを入れて、上にイチゴやベリーを乗せたら完成。お皿を帽子のツバにお菓子本体を頭の部分に見立てられ、リボンをかけて帽子らしさを出すことがあるのだとか。

こっちの世界ではそもそもフランスがないしお菓子もレパートリーが少ないため、シャルロットなんて洒落たものはまだ存在していない。
シュークリーム作ったら使用人に驚かれたくらいに。
ケーキといえばショートケーキかチーズケーキ…クッキーもプレーンしか見たことない。

なんなら、真ん中にジャム入れてたりナッツ入ってるタイプを中階層が食べているところを見たことがないくらい。
それほど、この世界は技術や食材の発見が遅い。

魔法文化の発達はすさまじいのだが、それ以外はどこか進歩が遅いのがこの世界の特徴ともいえる。完全に魔法に頼っていることを遠回しにプレイヤーへ伝えたかったのだろうか？

os「シャルロット…かわいい名前ですね。ぜひ、フラワーフェスが終わったら頂かせてください」

よし。心の中でガッツポーズ。

ht「いいな〜」
os「ふふ、でもヒトランは甘いものそこまで食べれないやん」

俺はゼペルさんと2人でお茶会するから、とオスマンは素の口調でヒトランに言う。

「2人でお茶会…ですか?」
os「一度、ゆっくり話してみたいなと思いまして。いかがですか?」

隣に座っているヒトランはムッとした表情をしているが…まあ話してみるのも悪くはないだろう。

良好な関係構築の一歩になるだろうし、そこで主人公との交流具合や未だ交流できていない対象連中のことも、もちろんオスマン自身のことも知れる機会になるはずだ。

「自分ももっと話してみたいと思っていたんです。ぜひ、お願いします」