恋愛ゲームの悪役に転生。だが男だ【男主】 (ページ8)

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教室からさほど距離もなかったので、あっという間にホール入り口。まだちらほらと立っている人がいるため遅刻してないようだった。

「それでは、自分は失礼します。お話すごい楽しかったです」

ありがとうございました、とお辞儀をするとあちらも嬉しそうにこちらこそ、と返した。
さて行くかと向きを変え席を探そうとすると、エーミールに手首を掴まれる。

(なんだなんだ、そろそろ時間も近づいているのでは?)

em「ええと…お名前をお聞きし忘れてて」
「あ、A。ゼペル・Aです」
em「Aさん…あの、普段私は図書館にいますので、その…ええと…」

ゴニョゴニョ、と言うのを躊躇っているな。
よし、こちらから言おう。

「図書館、了解です。遊びに行きますね」
em「…！まっ待ってます…！」

こうして、エーミールと別れ空いていた新入生用の席に座った。
今の自分はだいぶホクホクしてるだろう。まさか攻略対象とこんなに仲良くできるなんて。

あぁそうだ。入学式もそんな重要なこと言われてないしエーミールについておさらいしとこう。
説明文では微笑みの月花蝶。

ライバル枠はやはり俺。
瞳に関することで仲良くなるが、そこでやって来る主人公。学院内で珍しく自分の見た目の否定をしないエーミールを取られたと思い、主人公と敵対することに。

ルートはハッピーで追放、バッドで離島の牢獄へ。死にはしないがとても苦しい終わりを迎える。

主人公がエーミールを狙った場合、親しくなっていたのに話せるタイミングは消えるしましてや奪われたと思ってもおかしくない。

(同情をせざる得ない…)

役員「続いて学院長代理として一年の学年主任、ラッダァ先生からお話があります」

ra「はーい。新入生の皆さん、入学心よりお待ちしていました。長話はみんな聞いてくれないと思うので、簡潔に話します。今年は去年に引き続き将来有望な生徒がかなり入学してくれました。生徒会の統治のもと、楽しんでいきましょう〜」

…やっと出てきたと思った担任の先生は、緩さを見せながら即話を終わらせた。