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授業が全て終わって帰りのHRも何事もなく終了。空の色はオレンジ色に変わりつつあり、お腹の虫がぐうと鳴る。
(今日は何を作ろうか、早くご飯食べたい).
夕飯は家庭科室で作っているため、他の生徒と会う前に早足で移動を開始する。
ci「おい」
後ろから声がかかる。まもなく家庭科室というところで…なんてタイミングの悪い。
「チーノ様…どうも」
制服ではなく実技用の服装のままのチーノ。おそらくHRも出れず試験の受け直しをしていたのだろう。
ci「よくも教師に言ってくれたな」
「能力は適切に判定されるべきでしょう」
ci「ゼペル家ではそう教わっていると？」
目つきは眼鏡のせいで見えないが、口調はかなり棘がある。どうやら怒らせているらしい。
「では今回もアレを持ってれば良かったのでは」
どうして、とチーノが驚く。まるでなぜそれを知っているのかというような反応。
「偶然見ましてね」
ci「なら少しは察することができるやろ？」
何をですかと尋ねれば、彼はよりイラつきを増加させながら言う。
ci「信用や信用！ええか、こっちは商売を生業とする家系や。相手との交渉には、売る側が相手よりも下手に出る必要がある」
「それで？」
ci「取引先の名家や金持ちが自分の子より能力が高かったなんて知ったら…買うものも買わなくなる可能性だってあるんやぞ！しかも周りの同業者だって…」
思わずため息が洩れる。おそらくコイツは気づいてないのだろう。
「貴方、元々の信用も多分ないですよ？」
はっきりと伝えれば、は？と威勢が風船みたくぷしゅうと抜けたような声が聞こえた。
「察するどころか…貴方が貰っていたのはまた別物です。信用とは互いが同じ分量で持たなければ発生しませんし。それと」
その笑顔は流石にピエロみたいで、言葉に対して嘘だと簡単にわかりますよ。
おそらく最後の発言は会心の一撃だった。チーノは先ほどまでの威勢が完全に消え去り、俯いたまま黙ってしまった。
少しやり過ぎたか？と不安になるが彼のルートにある、ゼペルちゃそとの関係は発生しないはず。破滅のルートをそもそも作らせない点ではかなり良いかもしれない。
lu「ちょっと！さっきから聞いてれば何なんですか！」
突然の乱入者。声のする方へ振り向けば、そこには怒り気味のルナがいた。
えぇ〜〜〜？？主人公登場ってマジーー？？
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作者名：あんべべ | 作成日時：2021年9月14日 11時
