恋愛ゲームの悪役に転生。だが男だ Ⅺ【男主】 (ページ8)

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あるのかな〜なんて、とナカムは此方に視線を送ってきた。もしかしたら今が好機なのかもしれない。

「先輩」
some「おっけ、任し…」
gt「あれ、風紀委員さんたちはまだ食えてないんすかぁ?」
yk「こんにちは〜」

ンソメにバスケットを渡そうとした瞬間、ひょいとグチツボはバスケットを奪い去り輪の中へと入っていった。事情を1ミリも知らないヤキパンを連れて。

some「あいっつ…⁉︎」
ge「ん、何かヤベェのか?」
「…グチツボ先生次第です」

大変そうだな、と他人事のように煙草に火をつけるゲンジン。それを見てより一層ンソメと俺は焦りを露わにし始めていた。

kiri「うわぁ、煽られてる?」
gt「いやんな事。でもキリヤン、食べれてなくて可哀想だなぁって」
kiri「な…⁉︎じゃあどこにあるか教えてもらっても?」
gt「ふっふっふっ…」

ここだ！と勢いよくバスケットの中身を見せる彼。勢いで飾り付けが取れないかとても不安になった。
朝早くから作ったのだから作り直しだけは勘弁である。

Na「めっちゃ美味しそう…！俺水色ー！」
kin「ナカムがそこまで反応してるなら…俺も青色の食べてみよ」

先ほどまでルナの菓子を食べていたのかと思うほどに勢いよくマカロンにかじりついたナカムは目をキラキラとさせながら言う。

Na「めっちゃ美味しい！」
kin「ほんとだ。前に食べたのより断然うまい」

それを見て他の風紀委員たちもマカロンを手に取り口に運んでいった。

shrk「ほんとだ、すごい美味い」
kiri「グチさんの言った通りめっちゃウマい…これどこのお店から買って来たんです?」
gt「いいや、これは生徒が作ったものなんすよ」
Br「すご、この学院にパティシエさんっていたっけ?」
sm「もしかして…」

紫の瞳が此方を捉える。特定の人物にしか今は見えないように気配消しを使っており、そう簡単に見つけることは不可能なはずだったのだが。

(すぐに気付かれるとは…)

もしかしたら彼も気配消しを使い慣れているのか、はたまた隠密行動の魔法を看破しやすいのか。
とりあえずお辞儀をしてそのまま彼らの心ジュエルを確認する。

(…?)

ナカムを除く他のハートたちは黒い煤がこぼれ落ちていく姿を見せながら緑色に輝く心ジュエルへと変わっていった。

(なんだあれ?)

lu「…」

俺が疑問に思っている彼らの少し後ろで、ルナは此方に鋭い視線を送っていた。