チョイス！旧式魔法の歴史基礎 ページ5
「…どれが……」
ルナと違う所か。夕方の廊下にぽつりと声が溢れる。
右手で摘んでいる選択科目申請用紙をペラペラめくりながら家庭科室へと道を進む。
1年生が選べるのは数十種類ある中でたったの6科目のみ。まぁ基礎や基本しか学べないのはカリキュラム的にもわかるけれども。
確率はサイコロの目で1を出すのと同等。
(出目乱舞起こしたら1発で詰むやつじゃないか)
?「ゼペル」
後ろからの声に振り返る。
そこには夏休み前半に交流をする事に成功したコネシマと、お茶会で二言程度のみ会話をした生徒会書記のトントンがいた。
書類と木箱を持つ2人、おそらく10月のイベント『スケアリージャック』のものだろう。
「コネシマ様にトントン様、こんにちは」
kn「おう。体調崩しとるってショッピから聞いたけど大丈夫なんか？」
「日常生活に支障出る程ではないので」
ピースピースと巫山戯てみれば平気そうやなと笑われた。その隣にいる書記殿は驚いていたが…まぁ気にしない。
それよりも、という事でコネシマに選択科目を聞いてみる。
「コネシマ様、選択科目って決めましたか?」
kn「ん?ああ旧式魔法の歴史基礎って科目を第一希望にする予定やで」
用紙の一覧を確認。一覧のかなり後半に『旧式魔法の歴史基礎・担当教員はピクト』と書いてあった。
kn「因みにトントンもこれや」
tn「なにしれっと俺の希望科目まで暴露しとるん?」
書類で頭をペシリと叩かれるコネシマ。
(その書類をハリセンのように使って大丈夫なのだろうか)
魔法でシワとか治せるのだろうか。
tn「ゼペルさんは優先されるんやからちゃんと考えたほうがええですよ」
「トントン様は違うのですか?」
tn「どこかの会長が自分は受けれないから代わりに受けてくれと頼んできましてね」
(グルッペンが旧式の魔法を知りたがっている…?)
そもそも王族が旧式を勉強したいなんて、なにを考えているのだろうあの最高難易度。
だか、シナリオとして謎めいている暗黒月や禁忌の魔術師の情報を知る良いタイミングかもしれない。
(…2ヶ月くらい授業出れないから補修確定だけど)
「俺もその科目で申請しようと思います」
kn「ほんまか!もしも抽選当たったら宜しくな!」
tn「自分も。その時は宜しくお願いしますー」
ーーー
tn「とは言っても俺らが抽選当たるかどうかやけど」
kn「え、なんでや」
tn「…気づいてなかったんかお前」
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作者名：あんべべ | 作成日時：2021年12月1日 18時
