恋愛ゲームの悪役に転生。だが男だ Ⅵ【男主】 (ページ30)

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なははと笑い過去の自分を指さす私を見るがスルーをして質問を続けた。

「壊されたって言ってたけど俺どうなるの」
『さぁ?黒い液体に飲まれやすくなるだけじゃない?』

洪水みたいなあれかと聞けばそうそれと軽く返される。今後はより一層の悪役ムーブかませるよと言われたが破滅フラグを自ら増やしてどうするのだ。

『それにさ、壊れたからって今まで通りでしょ。私の心が一度死んだ時みたいに』
「……」

みんな大変で忙しいからね〜と皮肉混じりに私は言う。1人の心が死のうが壊れようが何も起きず、世間はただただ普通に回る……。
きっと今回も変わらない、のだろうか。

『諦めなよ。期待したって所詮、でしょ。てか、そもそも俺になっても誰も信じてないじゃん』

教室が消え去り、辺りは真っ黒い世界となる。
これがここの本当の姿だったのか。…というより俺は理解していたはずだ。

"こんな所"には闇しかないのだと。
忘れていたようだ。

「……ああ」
『うわー闇を完全に自覚しちゃった感じ?私のと重なったらこんなおどろおどろしくなるのかよ』

嘲笑う私。自分がとことん恐ろしいと言いながら再度こちらへ近づいてきた。

「そういえばなんで私がいるの?」
『前世の心と闇属性の魔力が上手く融合して作り出したっぽいんだよね。細かいことは私にもわからん』

いつからと聞けば記憶を取り戻した辺りと返される。
とするとこの存在は10数年の間、ひっそりの俺の中にいたということか。

「じゃあ…奥底にいたのって私?」
『せいかーい』

パチパチと拍手をする私。
奥底でいつも見てるよと言われる。

「おわっ」

突然視界が揺れだした。

『あー起きるんだね。じゃ〜またその内…って言っても俺はほとんどの記憶が残らないか』

揺れに逆らうことのないまま視界を閉じる。
私が楽しそうに話す声を聞きながら、"この場所"から俺は去っていった。

『心がなくなったわけだし、次あの攻撃受けたら死ぬから。お気をつけて〜』