第4話。 ページ12
全てが完璧だった。
2人の最高の思い出になるはずだった。
焼きそば食って、りんご飴食べて、金魚釣りして…。
そう、彼に会うまでは。
「お兄ちゃん…」
「お前、なんでここにいんの？」
繋いだ手から彼女の怯えきった彼女の感情が伝わってくる。
「シン先輩、お久しぶりです。彼女は俺が勝手に誘ったんですよ」
彼女が何で怯えているのかはわからない。
彼女の兄が彼女に対し何で冷たく当たるのかもわからない。
でも、守らないと。
何としても彼女だけは。
「は？お前に聞いてないんだけど」
うっわ。
マジで威圧感すげぇな、この人。
「付き合ってるんです、俺ら」
俺は負けじとそう言って震える彼女の手を強く握った。
「ふーん、そうなのかA？」
シン先輩はそう言うと渡辺さんに冷たい視線を送った。
「……っ」
言えよ。
俺と付き合ってるってちゃんと言え。
「……」
そんな俺の願いとは裏腹に彼女はただただ怯えて下を向いているだけ。
ふざけんな。
何で言わねーんだよ。
「ま、いーわ。」
シン先輩はそう言って彼女から視線を逸らした。
何なんだよ、一体。
君は何にそんなに怯えてんだよ。
俺は彼女の手を握っていない方の拳をぎゅっと握りしめた。
「A、早く家に帰れよ」
そう言うとシン先輩は大きなベースを肩に背負って友達のところへ帰っていった。
「紹介してくれんじゃなかったのかよ？」
「……」
「またダンマリかよ。いい加減付き合いきれねーわ」
「ごめん…ごめんなさい…」
「いつも都合が悪くなるとそうやって謝るじゃん。謝ればいいと思ってんだろ？」
俺が聞きたいのは謝罪じゃねぇんだよ。
「ちゃんと話せよ」
君が話してくれねーと守りようがねぇじゃん。
そうじゃねぇと俺は一体、何から君を守ればいいんだよ。
「……」
はぁ…また黙るんだな。
「もういいわ。俺たち暫く距離おこーぜ。」
「…え？」
「だって仕方ねーじゃん。渡辺さん何も話さねーし、秘密ばっかでなんかもう意味わかんねぇわ。」
出来れば君の傷ついた顔なんて見たくねーよ。
でも、しょうがないだろ？
「ほら、みんな見てるから涙拭いて」
俺は一生懸命やっただろ？
あとは君が俺に心を開くだけなんだ。
それが出来ないのならもう…
「いっそのこと別れようか？」
こうするしかないだろ？
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クロ - 久しぶりです！ 少し来れてなくて....更新してくれて嬉しいです感激で語彙力が (2019年8月18日 13時) (
レス) id: df4019f8a8 (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - えだまめさん» わぁ、えだまめさんお久しぶりです！！part2までどうもありがとうございます！！part3でも元気をもらえたら嬉しいです！またお待ちしてます！ (2019年6月4日 4時) (レス) id: 3c107f3e51 (このIDを非表示/違反報告)
えだまめ(プロフ) - 二度目のコメント失礼致します…！お忙しい中part2更新お疲れ様でした！ドキドキの展開で完結まで楽しみです！part3も楽しみにしております！ (2019年6月4日 3時) (レス) id: 83643b9572 (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - 夜道さん» 夜道さん、コメントありがとうございます！part3はお兄ちゃんたちのことをメインで書いていこうと思うので最後まで見守っていただけると嬉しいです！ (2019年6月4日 3時) (レス) id: 3c107f3e51 (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - リリム@MEIKO廃さん» リリム様、コメントありがとうございます！すごく嬉しいお言葉感謝します！part3でまたお会い出来ることを楽しみにしています！ (2019年6月4日 3時) (レス) id: 3c107f3e51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まりあ | 作成日時：2018年8月15日 23時
