第3話。 ページ39
キーンコーン…
昼休みに入り、私は紙袋を持ってすぐに中庭に向かった。
その紙袋の中には田ノ浦君にもらった花が入っている。
今まで誰かに踏まれそうで怖くて図書室にあるプランターに植えていたけど、私は花壇に植えることにした。
だって一人ぼっちじゃ寂しいでしょ?
他の子達と一緒に太陽を浴びた方がこの子も孤独を感じなくて済む。
私は1番端っこの空いているところに花を植える。
よかった。
これでもう寂しくないね。
私は水をあげようと思い立ち上がろうとした時、
「何ニヤニヤしてんの?まじキモいんだけど。」
と、後ろから女の人の声が聞こえた。
同じクラスのあやかさんだ。
私は何も答えない方がその場が早く収まると思い無視することにした。
「おい、無視してんじゃねぇよ!!」
彼女はそれにイラっとしたのか罵声を浴びせると私の頭を強く叩いた。
「なんだよ、この花…ん?サルビア…」
彼女は私が立てた小さなプラカードに書かれた花の名前を見て何かを察したのか、さっきよりも怖い形相で私をにらんだ。
「やっぱり、あんただったわけだね。」
「…何のことですか?」
何のことかさっぱりわからない。
私は、何で叩かれたの?
「とぼけんじゃねぇよ!!」
彼女は再び私の頭を叩いた。
さっきよりもさらに強く。
理不尽な暴力には慣れているけど…
でも、凄く痛いんだよ。
「こんな花っ!!」
「まって!!それはやめて!!」
今まで耐えていた私も、花を踏もうとした彼女の足にしがみついた。
「私のことは殴っても踏んでもいいから、その花だけはやめてっ!!」
これは彼にもらった大事なものなの。
私にはもうこれしかないの。
「ちょっと、触んな!!」
彼女はそう言って足を振り回し、私を引き離そうとする。
離してたまるもんか!
そう思っていたが、顔にくらった強烈なビンタのせいで私は彼女の足を離してしまった。
「やめてっ!お願い!!」
当然、私のその願いは届かず花はグチャグチャにされた。
終わった。
最悪だ。
私がこんな所に移したから。
図書室にずっとあれば生きたいられたかもしれないのに。
「これに懲りたら二度と蓮に近づかないで」
彼女はそういうと満足そうに校舎に入っていった。
ねぇ、何で??
私が貴方に何をしたっていうの?
ニヤニヤしてて気持ち悪かったから?
どうして私はただ生きているだけで人を不快にさせるのかな?
だとしたら私はどうしてこの世に生まれたのだろうか…
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まなか(プロフ) - はじめまして。すごくおもしろいです、全て読ませていただきましたが話がとても深く、とても感情移入してしまいました。更新等頑張ってください。楽しみにしてます (2021年1月12日 22時) (レス) id: 55942c365e (このIDを非表示/違反報告)
彩波 - 面白いです!!!! もう感動して泣きましたよー!! part 2も頑張ってください! (2019年2月16日 6時) (レス) id: 6f464ca19c (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - 魅月さん» ありがとうございます!!そのコメントに元気をもらいました!! Part2の方もどうぞよろしくお願いします! (2018年8月18日 0時) (レス) id: 3c107f3e51 (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - 匿名でいたいさん» うずうずさせてしまってすみません!笑笑 Part2できました^_^ Part2の方でもうずうずさせない程度に頑張りますのでよろしくお願いします! (2018年8月18日 0時) (レス) id: 3c107f3e51 (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - ゆうあさん» コメントありがとうございます!夢主が幸せになれるよう最後まで見守ってください^_^これからもコメントお待ちしております! (2018年8月18日 0時) (レス) id: 3c107f3e51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりあ | 作成日時:2018年4月20日 4時