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第2話。 ページ12

「はい、休憩!!しっかり水分補給しとけよ!」

「はぁ〜マジできっついわ!」

「しょうがねぇだろ、もう直ぐ負けたら引退の試合があんだから!」

俺はクソ熱いのに俺の背中に乗っかって来たタクミを振り落としながら答えた。

「あ、やべ。もうアクエリねーわ!自販機行こうぜ、蓮!」

タクミは空になったペットボトルを逆さにして振りながらそう言った。

「わり…俺、ちょっと抜けるわ」

「は?あーまさか、渡辺さんのとこに行くんじゃねぇだろうな?」

さすが、タクミ。

俺の考えてること直ぐに分かっちまうな。

「直ぐ帰ってこいよ」

「なるべくな!遅れたら適当に誤魔化しといてくれよ」

「はぁ?だりぃよ」

「アクエリ一本でどうだ?」

「三本だ!」

「じゃあ、二本だな!よろしく!」

「…ったくしょうがねぇな、早く帰ってこいよ!」

俺はそう叫ぶタクミに手を振ってダッシュで図書室に向かった。



ガラッ

図書室の扉を開けると、中はシーンとしていて人の気配がない。

もう終わったのか?

でも鍵が開いてるし、誰かいることは確かなんだけど。

「お、みーつけた」

奥に向かうと、窓側で本を読んでいる彼女を見つけた。

彼女は俺の声が届くなり本からゆっくりとこちらに視線を移す。

「何か借りたいものでも?」

彼女は俺をみて冷たい声でそう言った。

「そうだな、本棚の一番上にあるものでオススメとかある?」

「もう少し時間があるので自分で探してはどうですか?」

「冷たいな、俺は君の好きな本を借りたいんだ」

「私が好きな本は私の手が届く範囲にしかありませんので。」

彼女はそういうと席を立ち上がって、俺の横を通り過ぎカウンターへ向かった。

その時、急に吹いた風が彼女の髪をふわっと靡かせた。

シャンプーのいい香りだ。

「用がないなら帰ってください、もう閉めますので。」

俺は過ぎ去ろうとする彼女の手を無意識に掴んでしまった。

「なんです?離してください」

彼女はそういうと大きな目で俺を睨んだ。

「君に用があると言ったら?」

「お断りします、帰ってください」

んー。

やっぱ、思い通りにはいかないな。

これ以上、口説いても嫌われるだけか。

「また、明日来るから。」

「来なくて結構です」

俺は鋭い目で睨む彼女の額に、無理矢理キスを落としてその日は退散することにした。

「また明日ね」





心が広い俺でもさすがに今の態度はカチンと来ちゃったわ。


「さーて。」


久しぶりに本気出しちゃおっかな

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まなか(プロフ) - はじめまして。すごくおもしろいです、全て読ませていただきましたが話がとても深く、とても感情移入してしまいました。更新等頑張ってください。楽しみにしてます (2021年1月12日 22時) (レス) id: 55942c365e (このIDを非表示/違反報告)
彩波 - 面白いです!!!! もう感動して泣きましたよー!! part 2も頑張ってください! (2019年2月16日 6時) (レス) id: 6f464ca19c (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - 魅月さん» ありがとうございます!!そのコメントに元気をもらいました!! Part2の方もどうぞよろしくお願いします! (2018年8月18日 0時) (レス) id: 3c107f3e51 (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - 匿名でいたいさん» うずうずさせてしまってすみません!笑笑 Part2できました^_^ Part2の方でもうずうずさせない程度に頑張りますのでよろしくお願いします! (2018年8月18日 0時) (レス) id: 3c107f3e51 (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - ゆうあさん» コメントありがとうございます!夢主が幸せになれるよう最後まで見守ってください^_^これからもコメントお待ちしております! (2018年8月18日 0時) (レス) id: 3c107f3e51 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まりあ | 作成日時:2018年4月20日 4時

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