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泣きはしないから kn→br ページ28

きんときside


「...留学?」

ポロリ。
俺の口から、困惑した声が漏れた。

「うん、そう。将来の為にも、行っといた方がいいってさ〜」

目の前の彼は、俺の困惑を気にすること無く、いつものまったりとした口調で話す。
その口振りから、行くことは決定していたようだった。

「...どこ行くの?」
「たしか...イギリスだったかな?」
「へぇ...。」

「1年くらいだって。」彼はそう言いながら、困ったような視線を向けた。
...困りたいのは、こっちだっての。

将来の為だ。仕方ない事。
確かにbroooockは英語出来るし、本人も外国語関係の仕事に就きたいと言っていた。
それなら、この留学は此奴の為になる。
...悩む事なんてない。
友達を応援しなきゃいけない。
俺の想いなんて、無視するべきだ。

「そっか。頑張れよ。」
「...うん。」
「パスポートとか、飛行機のチケットとか忘れんなよ〜?w」
「忘れないよwなかむじゃあるまいしw」

...行かないで、なんて言葉はすぐに飲み込んだ。
これが最善だ。
彼奴の夢の為に、俺ができる事。
彼の夢を邪魔する権利は、俺には無いから。
茶化すように笑って、いつも通りでいるべきだ。
チクチクと痛む心なんて気にせずに。
寂しい、と訴える脳なんて無視をした。
...この恋は、どうせ叶わないんだから。

「引き留めたって...何もできねぇだろ...。」

自分を納得させる為の言葉は、静かになった部屋に響いた。
____
__
_

とうとうこの日が来てしまった。
あと数十分で、もうbroooockとは1年間会えなくなる。
寂しい。......ちがう、そんな事ない。
寂しくない。大丈夫。
だって、連絡はいくらでも出来るし。
たった、1年だし。
...大丈夫。
泣くことない。
1年なんて、すぐなんだから。

「ぁ...そろそろ行かなきゃ。...じゃあね。」

大きな荷物を持って、broooockは飛行機に向かって行った。

「ぁ、」
「?どうしたの、きんとき。」
「......何でもないwまた、な。」

▽→←▽



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作者名:ローゼ | 作成日時:2019年6月22日 7時

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