白尾さん達の恋模様4【BL】 (ページ23)

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俺のその一言で、周りはピタリと静まりかえった。

nk「いやいやいや、え？何、きりやん。ドッキリ？」
br「ちょっと～冗談きついよ～w」
kn「誰って...6年は一緒にいるだろ...。」
??「流石にそういう嘘はやめてくんね？w」
kr「いや...ほんとに知らないんだけど...。
誰、ですか？」

またその場が静まり返る。
だって、ほんとに知らないし。
ドッキリ？なんて、こっちの台詞だっての。
...でも何故か、彼の声はどこか安心した。
会ったことなんて無いのに...変なの。

nk「...ちょっと、今からきりやんの家行くわ。みんなも着いてきて。」
kn「おう。スマイルにも言っとくわ。」
br「...シャークん。行くよ。」
sh「...あ、おう...。」
＿＿＿＿
＿＿
＿

kr「ほんとに来たし...。」

あれから数分後、家のインターホンが鳴った。
扉を開けると、見慣れた顔...の中に、知らない奴が1人。

sh「よ...。」
kr「...まぁ、上がって。」

シャークんと呼ばれていた彼は、俺を見ると少し悲しそうにした。
...なんでそんな顔、すんだよ。
会ったことなんて無いのに。
話した事も無いのに。
彼の事なんて、知らない筈なのに。
でも、その顔を見ると、何故か胸が痛んだ。

sm「話聞いて、ちょっとスマホで調べてたんだけどさ。きりやんは...’’忘愛症候群’’って病気だと思う。」

リビングに上がったスマイルが、スマホの画面を見せながらそう言った。

忘愛症候群＿恋人、又は片想いの相手を忘れてしまう病気
発症の条件は分かっておらず、治療法は＿＿

と、そこまで見たところでスマホを閉じられた。

nk「忘愛症候群って実際にあったんだ...。」
kn「しかも、治療法が...あんなの...っ。」
br「...そんなの、酷いよ。」
sm「...シャケ。お前は、どうしたい？」

スマイルに見せられた画面を見て、皆が悔しそうな顔をした。
その中で、1人冷静を装っているスマイルが、少しだけ震えた声でシャークんに聞いた。

sh「...もう少し、考えさせて。」

何を言ってるのかは分からない。
何を考えるのか、なんて知らない。
ただ、妙に胸騒ぎがして。
何となく、彼が直ぐにでも消えてしまいそうな、そんな予感がした。
今すぐにでも彼に駆け寄って呼び止めたかったけれど、何故か、体はそれをしてはくれなかった。
...彼の名前を呼ぶ事すら、出来なかった。