白尾さん達の恋模様4【BL】 (ページ5)

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「気持ち悪く、ないのか...？」
「なんで？」
「っ...だって...羽根...こんなの...。」

こんなの、人間じゃないじゃないか。
こんな羽根が生えた姿なんて、気持ち悪いだけじゃないか。
...なんで、綺麗だなんて、思えるんだよ。

「天使の羽根でしょ？綺麗じゃん。僕は、そんなんで君を嫌ったりしないよ。」
「...本当に？」
「うん。」

即答だった。
まるで、何も気にしていないようで。
彼に嫌われていないと分かって、漸く涙が止まった。
俺の涙が止まったのを確認した彼は、俺の隣に腰をかけた。

「天使病って、言うらしい。」

何かの漫画で覚えた知識。
漫画の中だけかと思っていたのに。
まさか、自分の身に起こるなんて。
天使病...その名の通り、背中に天使の羽根が生える奇病。
羽根が生えると背中に激痛がはしって...確か治療法は...。

「＿っ、ゔぁ...あ’’ぁ’’っ...！」
「！？スマイル！？」

また、背中に激痛がはしった。
俺がいきなり苦しみ始めたのを見た彼は、酷く焦って。
背中を摩ろうと伸ばした手を引っ込めて、俺の手を取った。
必死に声をかけて、痛みが少しでも和らぐ様にと優しく手を握ってくれた。
それだけで、凄く嬉しくて。
暫く経って、漸く痛みが収まった。

「あり、がと、broooock。」
「...どういたしまして。」

俺が礼を言うと、彼は優しく微笑みながらそう言った。
...何も出来てないとか、思ってるんだろう。
そんな事ないのに。
最初の痛みに比べたら、幾分かましだったし、痛みが襲う時間も、短かったのに。
お前のお陰で、今幸せなのに。

「＿スマイル、結婚しよ。」

彼は唐突に、そんな言葉を述べた。
天使病の治療法...最高の幸せを知る事。
あぁ、彼も知っていたのか。
少し不安げな顔で俺を見つめるbroooockに、俺が返す言葉はひとつしか無くて。
あまりに幸せ過ぎるその言葉に、涙が止まらなかった。
...でもこの涙は、痛みの所為じゃないから。

「...っ...するっ！ありがとう、broooock。

＿＿俺今、本当に幸せだ。」

止まらない涙をそのままに、笑いながらそう言えば、俺の背中から羽根が消えた。

「愛してるよ、スマイル。」

「ありがとう...俺も、愛してる。」

最高の幸せを、ありがとう。