サクラスタンプ（歌仙兼定） ページ5
『Aにはこれをあげよう』
刀剣男子とわだかまりが、溶けるまで約３週間
一般的にこれは短い期間なのかもしれない
『？』
『ポイントカードだよ』
『ぽ、いーと？』
ここに至るまでは長い道のりだったのは確かで
大人げなかった様に思える
『何でもいいAがお手伝い出来たらスタンプを貰う。貯まったらお願いを一つ僕らが叶えるんだ』
『おてつあい！』
『できるかい？』
『らくしょーだぜぇー』
歩んで来た時代、使えた人物、性格、趣味
(雅じゃない言葉を教えたのは何処のどいつだ)
全て異なれるもので十人十色ある
それは付喪神にも言えるだろうに
「おや、可愛い覗き魔が居るね」
「のさだ…なんしよー？」
「針仕事してるから暴れてはいけないよ？これは君の雑巾」
「Aの…っ！？」
「あぁ、今使ってるのは大人専用だからこれはA専用。厚さも大きさも小さめにしてある」
前任がしてきた事は赦されない行為は神への冒涜に他ならない
が、一概に悪いとも言い切れないものだ
その後の行いは僕らの歪んだ思い込みが生んだのだから
「Aせんよー！？Aの…？」
「さっきからそう言ってるだろう？」
「のさだ！いっぱいがんばっるっ」
「期待して待ってるよ。さ、お行き。三日月さんが首を長くして待ってるよ」
神たる自尊心と憎しみで本分を見失ったのは僕らの過失
「わかた！じーとこいくっ」
学ぶべき所はあった、と言うことだ
みすぼらしくだらしない服をまとっていた3週間前は吐き気がするほど嫌悪感を抱いた
汚ならしい人の子だと嘲笑い
『余計な事をするな！！！これだから人の子はっ！！』
恐ろしいくらい暴言だって言った
少し考えれば原因なんて分かったなのに
「これでもう、雑巾がけを任せられる」
最初に違う言葉をかけるべきだった
《ありがとう》
その言葉を待っていたんだ
褒めて欲しい、どうだ偉いでしょと笑っていた笑顔は僕の暴言で消えた
不思議そうに首をかしげて見つめて、大きな雑巾が床に落ちて
(あんなことするんじゃなかった)
小さい背中を丸めて離れの方へ歩いていく姿が強く焼き付いている
あの時はざまあみろと思ったけれど、今は痛まれない
「沢山、褒めて貰うといい」
このポイントカードは恩を返すそのために作った
.
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夢ぽてと(プロフ) - 清藤〇さん» コメントありがとうございます！亀更新ですが、頑張ります！ (2019年11月3日 15時) (
レス) id: dc72360ccd (このIDを非表示/違反報告)
清藤〇(プロフ) - 定期的に読み返すほど好きな作品です...久しぶりに更新されていて歓喜でした。体調にお気をつけてこれからも更新待ってます！ (2019年10月31日 22時) (レス) id: 71409fbe97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢ぽてと | 作成日時：2018年11月8日 15時
