遠征（終�◆� ページ22
『ぶらんこのれたら、おにぃちゃにみせるの』
そう、一人で意気込んで入るのを彼らは見ていた
母親がAを迎えに来ることは一度とて無かった
彼女が時計を見て母親が帰ってくる時間に家に戻る
「A」
「なぁに？」
時間は何となく形を覚えているに過ぎない
ただいまと帰っても、帰ってくる言葉はなく
押し入れに入っていく
「お願いあるの」
隣のおばあさんの家に顔を出して、おばあさんのお手伝いをしてご褒美を貰う
家に持ち帰ってはお手伝いを実践
『余計な事をしないで！！鬱陶しい！！役立たずっ』
帰ってくるのは《お仕置き》だけれど
泣きながら懺悔しては落ち込んで押し入れで一人作戦会議をする
助言してくれる大人は居なかった
ああすればいい、こうすればもっと良くなると優しく教えてくれる人が近くには居ない
「そう、お手伝いしてほしいなぁと思って」
この母親が妖しく微笑んで居ても
「おてつあい？」
「帰りにケーキ買ってきてあげるから…出来る？」
「できる！！Aがんばるよっまま！」
教えてくれる人は居なかった
兄は知らぬ振りをした
(ばっかだなぁ)
そんなわけがないと嘲笑しながら、家を後にした
「わぁ、ママうれしいわぁ」
丁度、あの約束から５日目の夜だ
「光太！！何が…」
「あ？ああ…ちょっとな」
「は？」
Aはお風呂場で溺れた
風呂場によじ登って足を滑らせてしまった悲劇だと報道した
「あースッキリした」
救いようのない人間は幾らでも居る
狡猾で残忍な一面を孕んだ種族
「邪魔者が消えて助かるわ」
犠牲になったのは何の罪もない小さな子供
愛される為に頑張った健気な少女だ
「帰ろうか」
もっと大人にならなければ
少なくとも今より
「帰って、あの子に声をかけてみると良い」
向き合うべきは自分の心だ
もっと寛容に、そして優しくなろう
「大丈夫」
まずは仲直りから
「きっと笑ってくれる」
霧が晴れたような顔つきで彼らの遠征を終えた
無駄に考えすぎていた
「…何してるの？」
「う？」
「ぼくは乱藤四郎。おぼえてる？」
「えっとね、かくれんぼしてくれたおねぇちゃ！」
「…そうだよ」
愛されるの努力は報われた方がいいに決まっている
「かくれんぼする？」
「するーー！」
叶えて貰うのではなくて叶えて上げよう
「かくれんぼする人ーー！！」
「はーーい！！」
この小さな《審神者》に
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夢ぽてと(プロフ) - 清藤〇さん» コメントありがとうございます！亀更新ですが、頑張ります！ (2019年11月3日 15時) (
レス) id: dc72360ccd (このIDを非表示/違反報告)
清藤〇(プロフ) - 定期的に読み返すほど好きな作品です...久しぶりに更新されていて歓喜でした。体調にお気をつけてこれからも更新待ってます！ (2019年10月31日 22時) (レス) id: 71409fbe97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢ぽてと | 作成日時：2018年11月8日 15時
