振り回されGirl~7色に染まる白~

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重岡side
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久しぶりの連ドラ、しかも主役を任せてもらえるなんて。

夢みたいや、めっちゃ嬉しい。


渡された台本は重く、今まで以上に特別に見えた。


沢本一誠 29歳
高校の同級生と結婚し、娘を授かる。

幸せな家庭を築いていたが、ある日娘に癌が見つかる。


3歳の娘にかかる莫大な治療費

弱っていく娘とどうしようもならない現実

ストレスでお酒に走り自暴自棄になる



演じたことの無い役。

既婚者子持ちという置かれたことの無い、自分とは違う境遇の人を演じる怖さ



「しげ」


呼ばれて振り向くと、望と淳太がおった。


淳「これ、食べや。体重増やすんやろ？」

望「高カロリーの悪魔のおにぎりと、砂糖たっぷりのドーナッツ！」

しげ「ありがとな」



楽屋で台本を読み込むことが多くなってもこうしてメンバーがめっちゃ声かけてくれる。

ドラマ決定を言い渡されてはや１週間。


今はとりあえずセリフを叩き込んで、体重増やさな！



しげ「なぁ二人とも」


もらったドーナッツを頬張りながら2人に聞く


しげ「父親の役ってどうすればええんやろ。子供おらんし、セリフ見ててもイマイチピンとこおへんくて」


淳「確かに…そうだよな」


望「俺が少し父親やったときあったやんか？」


しげ「あったなぁ。あの時小瀧何歳？」


望「20歳」


しげ「やばいな！どんな心境やったん？」


望「俺も必死やったし、長期間一緒におったわけじゃないから曖昧だけど、とにかく抱き上げた赤ちゃんが小さくて、壊れそうで、可愛いって言う気持ちもあったんやけど、演じる時はこれからこの子守るんは俺やーって気分やったかな」


しげ「守らなきゃ…ね」




守るもんがなんもない俺にとって、1番の課題になりそうやな。





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