振り回されGirl~7色に染まる白~

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望side

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見たくないもん見た。
今まで目を逸らしていた、知らないフリしとった。


だって、嫌やろ。
好きな女が「返事は？」って一言で言いなりになってしまうなんて。


流星がAにキスをしとった。

Aの反応から見てもきっと流星とキスするのは初めてやないんやろうなって。


俺がふざけて軽くしたキスじゃない。大人のキス。


胸が苦しくてしゃーない。

わかってる、Aは悪くない。分かってるのに、分からへんフリしてた俺が悪いのに。


さっきまでの嬉しさが夢だったのかと思うくらい、気持ちがどよんだ。



＿＿＿＿＿＿＿＿＿


スタ「今日の撮影は以上です！！お疲れ様でした！」


JW「「お疲れ様でした！」」


照「おつかれした！ありがとうございました！」



みんなそれぞれスタッフさんにお礼を言い、スタジオを後にする。

俺も挨拶して回ったけど、自分でも分かるくらい今日はダメダメだった。


何回撮り直したかわからん。



望「今日は撮り直しばかりですみませんでした！」


カメ「結果的にいいもの撮れたし気にしないでよ。相変わらず男前やったで！」


望「ありがとうございます！またよろしくお願いします！」



頭をあげると心配そうに俺を見るAと目が合う。反射的に逸らしてしまった。



貴「望？」


望「……」


貴「元気ないね」



Aほんとに心配しとる。

言え、なんでもないって、いつもみたく笑いとばせよ俺……



貴「ほんとに大丈夫？具合悪いとかじゃ…」



Aが俺の顔を覗き込もうとする。

こんな情けない顔、見られたくない



望「うっそぴょーん！！！」


貴「へ？」


望「少しミス多かったからって落ち込むのんちゃんじゃないで！あ、反省はしてる！！！


なんやA、俳優小瀧望の落ち込む演技力にまんまと騙されたなぁ！」



貴「むかつく！！！」




ムッとするAですから愛おしいと思う。



初めてあったあの日、一目惚れした。

ジャニーさんから告げられた残酷な現実に、好きであることを辞めようとした時もあった。


でも、Aのことを知れば知るほど惹かれて、好きになっとった。



今だってほら、笑ってくれてよかったって、Aの笑顔ひとつでこの上なく満たされる。



自分で気づいとる。

1度タガが外れた瞬間、自分をとめられなくなるって。



『返事は？』

そう悪魔みたいな言葉を言ってしまった瞬間、俺は俺でなくなってしまう気がして仕方が無いんや。







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