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side BLUE
先生は言葉を詰まらせる高地の話を真摯に聞いてくれた。
そして、重い口を開く。
「…入院治療を薦めてたのは、初めて診断書を書いた日です。
若い男性には珍しい病気ですし、知名度も低いですね。
見た目に変化が起きるとすれば、アザぐらいで。
それも最近多いみたいですが、最初はほとんど見受けられなかったはずです。
だから、ご本人にも、周囲の方々にも、適切な治療が必要である。と受け止めて頂くために。
但し、特殊なお仕事のことも有りますし、極めて危険な状態では無かったので、答えは急ぎませんと伝えてありました」
きょもはそれを聞いて、青ざめていた。
聞いていなかったようだ。
「けれど、入院はしません。と、食い気味で返事をされた時…
今のワーカホリック状態を、北斗さん自身で乗り越えて頂くことが1番の治療法だと確信しました。
今回、やっと皆さんとご家族と話す機会があって、良い方向に向かってきたと思います。
治療に専念することは、確かに、辛いことも多いと思いますが、
根気強く、今、手を打っておくことが、今後を左右するということに変わりはありません。
僕達は全力で、最大限最上級の治療を提供することをお約束します。
そのためには、皆さんの支えが必要です。
どうか共に北斗さんを支えてください。」
先生は、俺らに頭を下げた。
そこに書かれた名前は、血液内科 黒田医師。
「せ、先生!黒田先生!頭上げてください。
こちらこそっ、です。
…こちらこそ、よろしくお願いします」
俺が言うとみんなも続いて、お願いしますとお辞儀をする。
そしてもう一度顔をあげた黒田先生は、んー。と声を出したあと、話し始める。
「ワーカホリック状態。と言いましたが、私は精神科医ではありませんので、診断を下したわけではなく、あくまで予想ですが…
仕事のストレスで鬱状態になる方はとても多くて、そういった話はよく聞くと思います。
しかし、北斗さんの場合は、その逆。
仕事をすることでアドレナリンが出て、活発になったり、生きがいを感じているわけですね」
「えっ?あの、え?…北斗…は…
精神病…ってことですか?」
困惑した声で慎太郎が尋ねる。
「…その疑いは多いにあります。
ただ、ワーカホリックという病気は有りません。それが原因で不眠症になったり、身体に不調が出ているとなると、病名がついてしまうケースがあります。」
黒田先生の目は真っ直ぐに俺らを見つめていた。
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あーちゃん(プロフ) - きいなさん» コメントありがとうございます!ご愛読嬉しいです(><)ホントここからは北斗くん苦しめちゃうので、中々更新に悩みがついてきますが、何とか頑張ってみます!気長にお待ちください! (2019年8月16日 13時) (レス) id: fc9b1a9ec8 (このIDを非表示/違反報告)
きいな(プロフ) - 面白い!と言ってはいけない内容な気がしますが、楽しく読ませていただいています。無理のないペースで書き進めてください。楽しみにしてます(^^) (2019年8月15日 18時) (レス) id: 0c41f161d1 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - 梨朝さん» 御返事遅くなりすみません!お待たせしましたが、物語的には新章突入です。SixTONESにとって、北斗くんにとって、ベストな決断であったかどうか。これからその答え合わせです。お楽しみに! (2019年8月2日 23時) (レス) id: fc9b1a9ec8 (このIDを非表示/違反報告)
梨朝(プロフ) - ドラマのことを考えて泣いてしまいました…涙 これから北斗くんはどうなってくんでしょう。楽しみにしてます! (2019年7月31日 0時) (レス) id: e1ee29d5a9 (このIDを非表示/違反報告)
舞 - あーちゃんさん» 丁寧なレス、ありがとうございます!完結まで頑張ってください!読んでいきますので!これからの展開、楽しみにしてます! (2019年7月28日 21時) (レス) id: 0abd04aca6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーちゃん | 作成日時:2019年7月15日 7時