手前に食わせる飯はあるけども【文スト】

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あの後、

織田作はお代を渡して

「また来る」

と、店を出て言ってしまった

......また、「好きだ」って言えなかったな...

たった二文字が何故言えないのだろう

いつも練習しているのに...

「意気地なし...」

其の台詞を吐いて店の看板に「準備」の看板をつけて

寝室に向かう

「『また来る』か...」

彼奴、来るの遅いじゃねえかよ...

早く来いよ...

唇を俺は噛み締めた

￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

〜四年後〜

中原side

織田作が死んで四年

前に、友達の店に連れていくって言った癖に...

今俺は気分転換に港近くに散歩に来てる

まぁ、

気分転換って言うか...

ストレス発散？

太宰の青鯖はちょっかい出すし、

首領は相変わらずロリコンだし、

芥川は太宰さん、太宰さん五月蠅いし...

「ハァ...」

にしても、此処は静かで落ち着く

［バタン！！］

いきなり彼方から大きな音がし、

男の声がした

「あの、だから道案内を...」

「うるせえ！！客様じゃなかったら俺は店に入れない主義なんだよ！！」

「どんな主義ですか！？」

「あぁん？そんなもん知るか！！
出てけ！！ばぁぁぁぁぁぁか！！」

うわぁ、

口悪ィ...

「......大丈夫か？」

俺は追い出された男に声をかけた

「...綺麗だったな...」

「はぁ？」

「は！！僕は何を！！
失礼します！！！」

「お、おい！？」

男は直ぐに逃げて俺を置き去りにした

気使ったのに...

...ていうか、今さっき「綺麗だった」って言って無かったか？

マゾなのか？

俺は男を追い出した奴の居る建物の扉を恐る恐る開けた

其処には、

美味そうな飯の匂いと、

「あの男の人に駄目な事しちまった...
あの人、怒ったかな...
今度会ったら謝らねぇと...」

「は？」

ブツブツ呟いてるお団子頭の女を見つけた

其の瞬間、女と目が合った時

世界が止まったのかの様に思った

「...」

「あ...」

驚くほど綺麗な女だったからだ

５→←店の中？

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