38曲目 ページ49
Aside
『ど、何処に向かってるんですか！？』
理鶯｢寝室だが。｣
私を抱えたまま廊下を歩き、慣れたように寝室の扉を開けて優しく私をベッドに下ろす。
理鶯｢…嫌なら抵抗してくれ。｣
『わぷっ』
正面から抱き着かれ、そう囁かれる。
くっ…あの2人に散々苛められた後のこの理鶯さんの聞き方は狡い…
私が抵抗出来ないでいると、嫌じゃないと肯定したのかぐりぐりと控えめに頭を擦り付けてくる。
…垂れ下がった耳と尻尾が見える……。
その姿はまるで甘えている犬のようでこんな大型犬手懐けるのは大変だろうなぁ…と眠たくなって働かなくなった頭で思う。
理鶯｢…Aも銃兎も左馬刻も、みんな好きだ。こんなに暖かい仲間に会えたことに感謝している。｣
『理鶯さん…』
理鶯｢だから、ああゆうのを見てしまうと、あまり気分は良くない。
…小官は邪魔か？｣
震えたような声でそうか細く聞き、いつもの理鶯さんとは想像できない。
『…こっち見てくれませんか？』
理鶯｢断る。小官は今酷い顔をしている。｣
『ほら、こっち向いて』
顔を見られたくないのががっしりと私を抱き締める理鶯さんの頬を掴み目を合わせる。
理鶯｢っ、｣
『…なんて顔してるんですか』
苦しそうな顔をして口を結ぶ理鶯さんの頭を優しく撫でる。
『邪魔だなんて1度も思ったことないです。
あれはあの2人の行き過ぎた悪ふざけですし、理鶯さんは命の恩人なんですよ？』
すると安心したように身体を預けてくる。
『うおっ、重い…』
理鶯｢安心した。では小官も2人に負けないよう尽くす。｣
『いや、尽くしてもらわなくて結構なので…』
理鶯｢風呂に行ってくる。待っていてくれ。｣
…話聞いてないな。
いつもの無表情から一転、嬉しそうな顔をして出ていった理鶯さんの背中を見ながら、一息つく。
『ヨコハマなんなんだ…。』
ぼふっと勢いに任せベッドへ倒れ込むと少し沈む。
あー、ダメだ……眠たい……。
ごめん理鶯さん。もう無理…。
気が緩むとに一気に睡魔が襲い、理鶯さんに一言心の中で謝ったと同時に私の意識は途絶えた。
理鶯side
理鶯｢…寝たのか｣
風呂から出て寝室に入るとベッドの真ん中で寝息を立てるA。
起こさぬようそっと近付くとギシッとベッドが軋みAがんん…と唸る。
その白い頬に手を滑らせ紅色の小さな唇に持っていく。
そして額に口付けをしてAの寝る隣に身体を滑り込ませた。
理鶯｢すまない、左馬刻、銃兎。
……小官も黙って奪われる訳にはいかないみたいだ。｣
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にゅーとん - 銃兎さん…鼻血） (2021年6月19日 0時) (
レス) id: 7179999a63 (このIDを非表示/違反報告)
にゃっ太 - ルアさん» とルアさんこんにちは、作者様ではなく申し訳ございません。独歩の一人称ですが、関わる相手によって『私』、『僕』、『俺』に変わっていた気がします。コメント失礼しました。 (2019年2月19日 17時) (レス) id: c8a9b4a817 (このIDを非表示/違反報告)
ルア - ん…？独歩は一人称俺だったか気が… (2018年11月11日 23時) (レス) id: 1942f38c99 (このIDを非表示/違反報告)
たかはし(プロフ) - これめっちゃ面白いです！少し気になったのですが、4曲目の頭が上がらない、は使い方が違うと思います。意味は「何度お礼をしても足りないくらい感謝している、または常に迷惑をかけているなど申し訳ない気持ち」を表すと思います。違ったら本っ当にごめんなさい！！ (2018年9月15日 20時) (レス) id: b1c8d6ac09 (このIDを非表示/違反報告)
飴うさぎ。(プロフ) - 「女性恐怖症は発症されていた」はおかしいかと。「は」だと、病気が複数あるように思えてしまいます。「最初は(名前)にも女性恐怖症が発症されていたが」など、少し文を変えてみてはいかがでしょう。 (2018年8月31日 7時) (レス) id: 719b9efe66 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽちねこ | 作成日時：2018年5月18日 0時
