【ヒプノシスマイク】1.社畜の私にはあんたらに構ってる暇はない

27曲目 ページ38

幻太郎side



Aが押されるとすぐに諦めるのを知ってしつこくしてみると案の定、口を開けて食べようとする。

ほんと簡単に手の平で転がるなぁこの人は…

と、それを面白く見ていると、急に帝統が出てきて勢いをつけてAから奪い取って食べる。


帝統｢だ、だめだ！｣

乱数｢どしたの帝統〜｣

帝統｢わかんねぇけどなんか嫌だ！｣

『野菜ならまだあるから！ね？』

帝統｢Aさん〜…肉がいいっす…｣

『はいはい』


自分でも頭にクエスチョンマークを浮かべながらも、小生を見て犬のように唸る帝統をみると、なるほど。これはますます面白い。


｢小生から貰う食べ物が良かったんですねぇ、ですが小生は帝統にそうゆう感情は持てません…｣


帝統｢俺も嫌だわ！！！｣

ギャンギャンと騒がしい帝統とそれを見て笑っている乱数と小生達を見て呆れる山田姉弟。


こんなに騒がしい食事は初めてな気がする。

しかし、それを心地よく感じる自分がいて無意識にAへ視線を向ける。


二郎｢姉ちゃん〜…ほんと他の男にそうゆうことするのやめて…｣

三郎｢そうです姉さん！二郎みたいな童貞には刺激が強いので気を付けてください｣

二郎｢そ、そそれは今関係ねぇだろ！？｣

三郎｢あーもうその反応が童貞臭い近付くな｣


『2人ともお客さん来てるんだから喧嘩しない！』


三郎｢すみません…｣

二郎｢ごめんよ姉ちゃん…｣

2人とも一見素直に見えるが目の奥は火花が散っていてしかもそれにまったく気づかない。

普段からこんなに好かれていたら意味は違えど帝統や他の人からの好意を微塵も感じないのは頷ける。



『…で？なんですかこっち見てきて』

｢いえ、微笑ましいなと思っていただけですよ？｣

『可愛いでしょうちの弟』


……可愛いのは貴方ですよ…。
と言いたい気持ちをぐっと堪えてそうですね。と言うと弟を褒められて嬉しいのかにこにこと笑う。

その姿が愛らしくて思わず手を伸ばそうとするも、5人からの恐ろしい視線に手を下ろす。



訳もなく。


『わっ』

艶やかな髪を撫でそっと抱き留めるとピシッと石のように固まるAとそれぞれに喚く5人。


乱数｢あぁーー！ちょっと幻太郎ー！？｣

帝統｢に゛ゃーーー！！！Aさんから離れろ！！！｣

一郎｢夢野幻太郎ぉ…歯ぁ食いしばれ…｣

二郎｢姉ちゃん姉ちゃん姉ちゃん…｣

三郎｢姉さん姉さん姉さん…｣



あぁ、本当に



｢ふふ、そんなに顔を見つめられると食べちゃいますよ？｣


『んなっ！？』


いつまで経っても飽きない。

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