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sideなし
その会話を聞く二つの影。
「ユジナ、聞いたでしょう?」
「うん」
少し変わって本棚裏には双子の姫と王子が座ってコソコソと話し合っていた。
「白雪さんは帰さずに兄様の側に置くべきだわ。兄様をその気にさせないとー…」
「失礼」
またしてもよからぬ事を考えている2人を静止する人物が1人。
「あの人はだめですよ、姫君」
「ーなぜ?兄様のところに迎えられるよりいいお話でもあるのかしら?」
ロナにそう言われ困ったように笑ったまま黙ってしまうオビ。そこにラジ、白雪、Aが現れた。
「!!お前達またか。何をしているのだ」
大きな声でそう言われビクッと体を揺らす2人。しかし、ロナはすぐにたてなおしラジに話しかける。
「まあ 兄様いらしたの?」
ラジがここにいることを知らないように言うロナだったが、そんな嘘はすぐにばれラジに怒られている2人。
「い いつのまに?」
「ついさっきですよ」
ラジにお小言を言われながらも白雪達を見ているロナは何を思いついたのか音もなく白雪の後ろに回るとドンと白雪を押した。
「…えいっ」
「わっ!?」
いきなりの事に加えいつもとは違う服装だった為倒れそうになった白雪を片手で捕まえるオビ。
その姿を見た瞬間、Aの胸がぎゅっと締め付けられるような気分になった。
「まあ!ごめんなさい。足がもつれてしまって」
じーっと白雪を見ながらいけしゃあしゃあとそんな事を言うロナ。白雪はロナの言葉に疑問を浮かべながらも言葉を返す。
「い いえ?ありがとうオビ」
「ーいえいえ。お嬢さん」
オビは白雪を立たせるとちらりとAを盗み見る。胸の痛みに耐えるため下を向き胸に手を当て服をぎゅっと握るAをオビは少し心配そうに見つめていた。
「何をしに来たのか、知らんがお前達はもどれ!」
「言われずとも戻ります!」
「全く」
ラジが扉を閉めたあともロナは書庫を見つめていた。
「なかなか手強いかもしれないわ」
「僕 あの人怖いなあ」
「しっかりしてちょうだい、ユジナ!」
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はる(プロフ) - すごく面白いです!更新が楽しみですがオタクは待つのは得意な人種なので作者様の無理のないペースで頑張ってください! (2020年5月19日 7時) (レス) id: 2cc152cab9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あす | 作成日時:2019年2月13日 17時