少女の願い事【赤髪の白雪姫】 (ページ1)

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プロローグページ1

あるところに1人の少女がいた。その少女は身目麗しい姿をしていた。
陽の光が当たるとキラキラと輝く金色の髪。空の色を刻み込んだような瞳。そして頬を染めてふわりと笑うその表情。
其の姿を初めて見た人々は口を揃えてこう言った。「まるで天使が空から落ちてきたようだった」と。

このような見た目のせいで少女は連れ去られた。
貴族に雇われた山賊に。そこからが悲劇の始まりだった。
貴族の人形として夜会を開けば見世物として隣に立たせられ、機嫌が悪い時は腹を殴られ蹴られの暴行を受け…
そして、その貴族が少女に飽きると見世物小屋に即座に売りつけた。

そのような事が繰り返され少女の心がだんだんと蝕まれていった。瞳の光は消え身体の痣が増えていても少女はそれでも尚美しかった。

何時しか少女の感情は薄れていった。

ある少女は願った。その頭の片隅に。1人でいい。1回だけでいい。誰かに深く強く愛されたいと…