MISSING TWINs Ⅲ (ページ44)

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ー②始まりの世界ページ44

ーー京本大我(②京本)

彼は“狂愛”です

彼が求めたのは“生きている”芹で、望んだのは“助けること”。

目の前で轢かれ九死に一生を得たが、何をしても反応が返ってこないというのは彼にとってトラウマです。

幼い頃に両親がそうでしたから。

因みに、ドナーとなる事になった芹を手にかけたのにも理由はあります。

自分だけのモノにしたかったのではなく、彼の父親も脳死と判定を下され、手術の直前まで暖かかった人が冷たくなって帰ってきた。

彼にとって病院は死神の住む場所です。

そこに芹が連れて行かれたというだけで、面に出さないながらも相当思い詰めています。

その上での手術の申告。

彼は耐えられませんでした。

冷たくなって帰ってくる芹を想像することすら恐くて出来ず、絞り出したのが心中という道でした。

物語中で出て来た“神域”となっていた病院で心中を図ったせいで、“芹を助けられなかった”という心残りを果たすため、別の世界線にまで干渉するくらい芹という恋人に“依存”しています。

彼にとって芹は“生きる理由”そのものでした。

お邪魔してきた世界全てで助けることが出来ず、長い期間ずっと繰り返していました。

彼は本懐を遂げ、“京本大我”の身体を抜けた後、ずっと捜していた芹を抱き締めて子供のように泣いていました。

描写しませんでしたがAnother Epilogueの白い靄が寄り添うところです。

さすがに酷過ぎる設定なので、何人の命を奪っていてもその全て(他の世界の芹と京本大我)が赦しているので、②芹と共に明るい場所へといけます。

②武藤と“とあるお方”の口添えありきで。

因みに一般人なので“月の光を吸う”黒髪です。

ーー武藤芹(②芹)

彼女は“ひたむきな愛”です。

頼られると張り切るタイプ。

また、正義感も強く、いじめも仲間外れも許さない性格なので、②京本が１人で居るのが気になって仕方なかったんです。

好きとかそんな感情は無く、ただの正義感で庇護欲でした。

しかし、②京本の不幸な境遇に同情して傍に居る内、心の底から自分を必要としてくれているのは②京本だけだと気づき、彼女もまた彼無しでは生きていけなくなります。

誰かに取られるのを嫌がったのは自分を留めるものが無くなってしまう恐怖から。

ドレスで傍に居続けたのは“式を挙げたかった”
心残りと“たった１人だけを想う”という彼女の想いの強さの象徴です。