�将将将将将将将将将将将将� ページ24
お兄ちゃんはずっと大我くんを捜していた。
近寄ってきたファンから情報を聞き出し、人によっては私の事を知っている人も居て、私なら見たと言う情報の元にそちらへと走り続けた。
「まだか…」
ーねぇ！なんでさっきから大我くん捜してるの！？ー
「…この世界に、本来、芹は居ねーんだよ。前、にもあったんだ。別の世界と、混ざって別れた事が、あの時は、SixTONES、５人になってた…」
ーそれ…大我くんが…？ー
「いや、ジェシー」
違うんかい！と勝手に飛び出したそれをくすりと笑われ、大我くんの居ない世界に行った事はないと告げられる。
何故かと問えば、答えは簡単だった。
「俺“達”は、大我を追いかけてる。アイツは、自分が、存在している所にしか、行かねー。何も出来ないなんて、あの馬鹿は、耐えらんねーから」
ずっと足を止めずにいたお兄ちゃんの息は上がっていた。
コンサートの後１時間ほどスタッフさんと話したりして休めたとはいえ、きちんと体を休ませた時間はほんの数分程度。
それでも止まるつもりはないようで、噴き出した汗が目に入りそうになるのを払いながら、情報の先へと急いでいた。
ー居た！あそこに私！ー
「馬鹿は！？」
ーあそこ！大我くん！ー
深くキャップをかぶり黒のサングラスで目元を覆った男性が、辺りを見回しながらこちらへと駆けてくる。
その姿を認めたお兄ちゃんが、乱れた呼吸を整えるためか、それとも安堵なのか、深く息を吐き出した。
「アイツが鈍足で良かったわ」
ー本人も気にしてるんだから止めてあげてよ…ー
「今だけは神様にも感謝するわ」
ーとりあえず私の足を止めないと…ー
「必要ない」
“必要ない”の言葉に絶句した私を他所に、大我くんは私を見つけたようで、動かなくなりかけているであろう足を必死に速めた。
気づかない私は、道の先で友達と笑顔で手を振り合って別れ、くるりと会場へと向き直った。
こちらに向かう途中にある横断歩道が、私の目には地獄へと誘っているように見えた。
「止めるぞ」
ーえ！？さっき必要ないって…ー
「止めるのは大我だ、馬鹿。あの芹はそろそろ消える。ここは芹の居ない世界に戻る」
ーなんでそんなの言い切れるの！？ー
「糸が、途切れてるから」
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佐藤龍我のぶりぶりざ○もん
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作者名：Fin. | 作成日時：2019年5月24日 16時
