MISSING TWINs (ページ45)

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ⅩⅩⅩⅩⅣ ページ45

「おーにーいーちゃん♪」

「芹じゃん。久しぶりー」

「うん！ねーねー」

「ダーメ」

「まだ何も言ってないよー」

「またワガママ言い出すじゃん」

くすくす笑いながらそう口にする。
自分より子供っぽくても、自分は自分。
誰よりも分かりやすい。

「ケチー」

「で？何言おうとしたわけ？」

「…聞いてくれるの？」

「聞くだけね。どうするかは後で」

「あのねぇ…京本大我くんのサイン…やっぱりもらえない？」

「あ」

以前ここの私におねだりされていた事、すっかり忘れていた。
それが分かったのか、片頬を膨らませて分かりやすくいじけてくる自分を窘める。

「本当は会わせてとか言いたかったんだろ？」

「そりゃあ、会いたいよ。でも、それってズルいじゃない。お兄ちゃんが会わせたい！って言うなら喜んで受けるけど、私が言い出すのはダメ」

よしよしと頭を撫でて誉めてやれば

「大我お兄ちゃんだもの。言わなくても私の考えなんて丸わかりでしょ！」

「芹は分かりやすいからなー」

そっぽ向いた私の横顔に次に会ったら貰っておく、とご機嫌取り。
見事に成功したそれに、本当に現金な人間だと自分で自分を笑った。

「でね！ここの大我くんがすっごくカッコ良くて、もうヤバいの！」

「うんうん。そうだなー」

「大我お兄ちゃん聞いてる？」

「ちゃんと聞いてるよ」

SixTONESの皆が出ているドラマでテンションの上がりまくる自分に苦笑。
私はどこに居ても大我くんしか見えない事が少しだけ誇らしくなる。
どれだけ世界が変わっても、もしお互いに生まれ変わっても、私は彼しか愛せない。
どれだけそれが無意味な行為だとしても、仕方ないよね。

だって、

人間なんて自分の感情１つ儘ならない生き物だから。