MISSING TWINs (ページ35)

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ⅩⅩⅩⅣ ページ35

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ふと目を開く。
気が狂いそうな程に白で統一された部屋が、視界の全てを埋めていた。

ーどこだろう、ここ…ー

反響して響く私の声は頼りないくらいにか細く、それでいて本来の私自身の声だ。
起き上がろうと腕を動かすが、まるで自分の腕ではないように重く、指の一本も動かない。
頭１つ動かせない、金縛りのような状況の中、視界の隅っこで何かが動いた。

ー？気のせい？ー

一瞬だったから、雲の影でも見間違えたのだろうか。
真っ白で、無機質なピッピッという電子音だけが響く部屋。
暫く何の音もせず、それでも私は目を瞑る事は出来なかった。

ー変な夢ー…ー

動けない夢って、どんな深層心理からの働きかけなんだろう？
早く目が覚めないかなー、大我くんに会いたい。
そんな夢が、毎日続いた。

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ーまたかぁー…ー

いつもの部屋。
いつもの音。
もうこの夢、お腹いっぱい。

ーあれ？ー

いつもより、手があったかい。
誰かが私の手を握ってる。
独りの夢ばかりだったから、独りじゃないことに胸が暖かくなる。
あぁ、誰かが居てくれる事はこんなにも安堵するものだったんだ。

ー私ね、たぶん…寂しくて…怖かったのー

私は確かに居るのに、皆私を見てくれるのに、その瞳に私は映らない。
そんな私の前に武藤芹が現れて、ますます私は私という存在を信じられなくなった。

ー私…本当に生きてるのかな？もしかして本当は死んでて、この体にとり憑いたのかな？ー

ー私は本当に…武藤芹…なのかな…？ー

はじめて感じる他者の温もりに、零れ落ちていく弱音。
聞いているのか分からないその温もりは、必死に私を引き留めようとしているかのように、もう一度その掌に力を込めた。

ー顔…見たいなぁ。ねぇ、見せてくれない？ー

視界が揺れる。
もう目が覚めるのか。
あなたの顔見たかったなぁ。
今夜、また会いに来てくれる？
もう、私を独りぼっちにしないで。

ー…っー

皆が居てくれているのに

ー…っ！ー

こんな事を思うようなのは罰当たりかもしれないけど

ー…ぃ…っ！ー

いま私をちゃんと見つけててくれているのは、きっとあなただけだから。

ー…っ！…ぃっ！ー

だから…

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「芹っ！大丈夫か！？」

「え？」